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お手軽スポーツ賭博がイギリスを蝕む
従来なら、サッカーファンは特定の試合のスコアを予想しようとしたり、リーグ優勝のために自分のチームを応援したりするものだった。
今では人々は、「両チームとも得点する」「アーセナルが2点差以上で勝つ」「イエローカードが3枚出る」などに賭けるようになった。1つの試合の中でだ。
さらに試合中にはスマートフォンで、「次に点を入れるのはどちらのチームか」の賭けを追加することもできる。そして試合残り10分の時点で「現金化」を選択するのも可能。
アーセナルはいま2点差で勝っているが、相手がこれから得点するかも......そこでリアルタイムで少額の勝ちを確定しておくか、賭けを継続するかを選べるのだ。言い換えれば、ギャンブラーは複雑で刻々と変化するプロセスにどっぷり漬かっている。
最終的には、ある人は2つの賭けで勝って2つで負けたりするかもしれないし、オンライン口座からカネが出入りするからその日に結局得したのか損したのかさえ分からないかもしれない。
賭けをするために馬券売り場(いわゆる「賭け屋」)に行き、ポケットに紙切れを入れて出て来る(その紙切れは落胆でビリビリにされるか換金のためにまた持ち込むかのどちらか)なんていう時代とは大違いだ。
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