トランプ氏、メキシコに制裁・関税警告 「水を盗んでいる」

4月10日、トランプ米大統領はメキシコが両国間で水資源を分配する条約に違反し、「テキサス州の農家から水を盗んでいる」として、同国に対する制裁や関税を警告した。写真はメキシコ・テカテのエルカリゾダム。3月撮影(2025年 ロイター/Jorge Duenes)
Ismail Shakil
[10日 ロイター] - トランプ米大統領は10日、メキシコが両国間で水資源を分配する条約に違反し、「テキサス州の農家から水を盗んでいる」として、同国に対する制裁や関税を警告した。
メキシコは1944年の条約に基づき、5年ごとに175万エーカーフィートの水をリオグランデ川から米国に送る必要がある。1エーカーフットはオリンピックプールの約半分の容量。
現在の5年サイクルは今年10月に終了するが、国際境界・水委員会によると、メキシコが送った水は規定量の3割に満たない。
トランプ氏は「メキシコは1944年の水条約に基づき、テキサスに130万エーカーフィート分の水の借りがあるが、残念ながら条約の義務に違反している」とトゥルース・ソーシャルに投稿。
「ロリンズ農務長官はテキサスの農家のために立ち上がっている。メキシコが条約を守り、テキサスに送るべき水を提供するまで、関税、場合によっては制裁も含め、(違反の)結果をエスカレートさせる!」と書き込んだ。
メキシコは歴史的な干ばつで義務を果たせないとしている。条約はこうした状況について、未供給分を次の5年間に繰り越すことを認めている。
条約は米国がコロラド川から毎年150万エーカーフィートの水をメキシコに送ることも義務付けている。米国は義務をほぼ果たしてきたが、深刻な干ばつで最近の供給量は減少している。