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使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由

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2025年3月25日(火)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
日建ハウジングシステム大阪オフィス

竹集成材は家具や日用品としても利用可能。日建ハウジングシステム大阪オフィスは竹をふんだんに使った内装に

<樹木よりも高強度で成長が速い竹を建材にできれば、放置竹林問題の解消に加え、地産地消ビジネスの機会にも>

森にまつわるSDGsの取り組みといえば、木を「使い過ぎず、守り、育てる」ものが目立つ。そんななか「使えば使うほど」脱炭素に貢献できる、と注目が集まる植物がある──竹だ。

日本では古くから竹を家財道具や日用品に活用してきたが、外国産の安価な竹や加工しやすい新素材の台頭により、日本産の竹の需要は激減した。

その結果、全国に放置竹林が広がった。竹は隣接する森を侵略し、そこに野生生物が住み着くことで獣害の元となる。また、地中深くに根を伸ばす樹木とは異なり、地表面近くに横向きに根を張る竹の増加は地すべりを助長するなど自然災害の要因にもなる。

だが、この状況に光が差し込み始めている。竹を建材として使う「古くて新しい」可能性が注目されているのだ。

主導するのは日建ハウジングシステム。都市・建築・環境など多様な分野の知識を持つ専門家集団で、日建建設から分社・独立して今年で55周年を迎える都市型集合住宅のエキスパートだ。

同社が2016年に立ち上げた「lid研究所」では、鹿児島県薩摩川内市から受けた相談をきっかけに竹の建材化に向けた取り組みが始動した。

木材として一般的な杉に比べて、竹は強度と弾力性が高く、板を貼り合わせて「集成材」とすることで建材として最適な素材に成り得る。また、平均3~5年程度で建材として利用できる。これは針葉樹の40~60年、広葉樹の100~150年とは比べ物にならないほど早い。

さらに、竹は地下茎を通じて繋がっており、伐採してもすぐに茎からタケノコが生え、若竹に成長する。つまり、植林の必要もない。

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株式会社日建ハウジングシステム

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