使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
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竹がCO2を吸収できるのは1年間程度とされるが、切っては使う、を繰り返すことで、短いサイクルで脱炭素を望めるのが「竹は使えば使うほど脱炭素に貢献する」と言われる所以だ。
lid研究所I³デザイン室室⾧の古山明義氏は「いま、木で作っているものは竹でも作ることができます。ただ、海外では竹の建築物は普及しているものの、日本では竹は建材として認められていないんです」と語る。竹はイネ科の「草」の様なもの。「草」は建材として定義されていないのだ。
こうしたなか、同社は鹿児島大学工学部建築学科鷹野研究室と株式会社ハフニアムアーキテクツとの共同研究を実施。「竹集成材構造モデルプロジェクト」として、薩摩川内市での建設を想定し、材料や接合部の強度試験などを行った。
そして2年間の試行錯誤の末、特定の建物において竹集成材を構造材として利用するための性能評価書を国内で初めて取得し、建材としての可能性を証明した。今後、国土交通大臣の認定を受けることで、実際に竹集成材を構造材として建築できる。
また同社は、竹集成材を活用した家具の開発や竹をナノレベルで解したバイオマス素材の活用にも力を入れるなど、竹の可能性を探究し続けている。
こうした取り組みは、放置竹林の解消と脱炭素化への貢献に加え、地産地消の新たなビジネスの可能性にもなる。古山氏は「公共施設を地元の竹で作る、というような好循環を生み出せたら素晴らしいことだと思います」と語った。
竹の活用は、木材自給率が3~4割に留まる日本では建材の安定供給にも貢献できるだろう。竹の可能性を切り拓く取り組みは、日本の未来をも切り拓くかもしれない。
株式会社日建ハウジングシステム
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