ブラジル政府、貿易網の拡大目指す 対米交渉は粘り強く

4月10日、ブラジルのプラゼレス対外貿易長官はトランプ米政権と貿易交渉を進める一方で、多国間主義への支持を再確認しつつ、貿易協定のネットワーク拡大を目指していく方針を明らかにした。写真は両国の旗。ワシントンで2023年2月撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[ブラジリア 10日 ロイター] - ブラジルのプラゼレス対外貿易長官は10日、トランプ米政権と貿易交渉を進める一方で、多国間主義への支持を再確認しつつ、貿易協定のネットワーク拡大を目指していく方針を明らかにした。ブラジル・中国ビジネス委員会(CEBC)が同日開いたイベントで発言した。
同長官は対米貿易関係について「われわれのアプローチは、交渉、交渉、そして交渉だ。これまでそうしてきた」と述べ、粘り強く臨む姿勢を強調した。
さらに南米関税同盟メルコスルと欧州連合(EU)が最終合意済みの自由貿易協定(FTA)を巡り、批准されればブラジル産製品の輸出ルートの多様化に道を開き、EUへの販路が拡大するとの見方を示した。
また、ノルウェーやスイス、アイスランド、リヒテンシュタインからなる欧州自由貿易連合(EFTA)との交渉も進めていると指摘した。
中国はブラジルの最大の貿易相手国で、ブラジル産大豆や鉄鉱石、原油の主要輸入国。同長官は、中国が衛生面に加え、植物検疫と規制上の障壁を撤廃すれば、ブラジルからの輸出が大幅に増える可能性があると期待を表明した。
また長官は、対中関係を「二面的」とも表現。中国はブラジル産品の主要な買い手である一方、中国産品がブラジルの消費財や自動車などの国内産業に大きな競争上の脅威になっており、緊張関係の面もあると指摘した。ただ、中国がブラジルの自動車産業と生産能力に投資しているため、幾分か和らげることにつながっていると指摘した。