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【人生を変えた55冊】思い込みの人物像を覆すインタビューの醍醐味
エディー・ジョーンズは読んだ本それぞれに明確な考えを持っていた Newsweek Japan
<本誌特集「人生を変えた55冊」では作家デイヴィッド・ピースとラグビー監督エディー・ジョーンズに取材。興味深い話が聞けただけでなく、彼らに抱いていたイメージまで一変した>
僕がジャーナリストになりたいと思った最大の理由は、興味深い人物と話しをして、彼らの考えを聞ける機会が得られることだった。だから、8月11/18日号ニューズウィーク日本版のカバー特集「人生を変えた55冊」で、イギリス人作家のデイヴィッド・ピースや、ラグビー監督(イングランド代表監督、元日本代表監督)のエディー・ジョーンズにインタビューできたのは素晴らしい体験だった。
表紙でその本を判断するべきではないとはよく言われるが、僕はさらに、著作でその著者を判断するべきではないとも思う。誰かがつくり上げた作品を読んでいるのだから、作品がその人物について多くのことを語っている、と考えるのは当たり前に思える。でも、事はそう単純ではない。
【特集:人生を変えた55冊】「別の国、人種、セクシャリティーの本で孤立の時代に共感を」デイヴィッド・ピース
デイヴィッド・ピースの本は時に、ダークな部分を掘り下げる。白状すると僕は、彼の作品がまぎれもなく卓越していて極めて独創的だとは思いつつも、時には読み進めるのがなかなか困難に感じることがあった。
そんな彼自身は、話して見ると分かるが抜群に親切かつ思慮深い人だ。控えめで、インタビューに十分な時間を割いてくれ、惜しげもなく考えを聞かせてくれた。アクセントも上品だ。汚い言葉なんか使わない。名前の文字を間違っても多分、許してくれるだろう。
もしかすると、人間に備わり得る悪を解釈するためには、人並み以上の思いやりと品位を持っている必要があるのではないだろうか。
面白いことに、称賛する作家の1人として彼が挙げたのは、ロアルド・ダールだった。素晴らしく愉快な本で世界中の子供たちを喜ばせている作家だ。どうやら作家自身はひどい人物のようだが。
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