アングル:日本株底入れまだ先か、上値抑制の「逆パーフェクトオーダー」も

4月4日、日経平均が連日、大きく下値を切り下げているが、底入れのサインとなるセリングクライマックスはまだ明確には観測されていない。都内の株価ボード前で同日撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Noriyuki Hirata
[東京 4日 ロイター] - 日経平均が連日、大きく下値を切り下げているが、底入れのサインとなるセリングクライマックスはまだ明確には観測されていない。チャート上でも、先行きの戻りの鈍さを示唆する「逆パーフェクトオーダー」といわれるパターンが形成されており、慎重なサインが点灯中だ。
セリングクライマックスは、投資家が弱気になって売り注文が殺到することで生じる。その後は需給が好転することで、株価が反転上昇することがある。昨年8月の急落時には追い証の多発が観測され、翌日には急反発した。
ただ、足元では、まだ明確には観測されていない。松井証券の店内では、信用買いされた株式の含み損益の度合いを示す信用評価損益率がきょう時点でマイナス15%前後で、追い証の多発が見込まれる20%に満たない。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「一部で追い証が生じているが、信用取引の観点からは、あく抜け感は出ていない」とみている。過去の急落時には金曜の引けにかけて売られてクライマックスを迎えるケースが多いと窪田氏はみているが、きょうは大引けにかけて買い戻された。
みずほ証券の中村克彦シニアテクニカルアナリストは、セリングクライマックスの目安として、東証プライム市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率である騰落レシオのほか、売買代金に着目する。
足元の騰落レシオは89%。昨年8月の急落時には70%台まで低下しており、80%以下になることがクライマックスに近付く目線になるという。一方、売買代金は、時価総額の1%程度に膨らむ必要があるという。8月急落の際は7兆円で、当時の時価総額の約1%だった。きょうの売買代金は7兆円近くに膨らんだものの、足元の時価総額に対しては1%に満たない。
日経平均はチャートの形状の崩れも意識されている。株価の上昇局面では通例、主要な移動平均線は短期、中期、長期へと上から順に並ぶ「パーフェクトオーダー」が観測される。ところが足元では、前日に75日線が200日線を下回ったことで、長期が一番上になり、短期が一番下になる「逆パーフェクトオーダー」が出現した。
各移動平均線は、その期間の投資家の損益分岐点とみることができ、上抜ける際には戻り待ちの売りが出やすい。こうしたチャートの形状が解消されるには「少なくとも数カ月はかかりそうで、夏場までは(解消は)見込みにくい」とみずほの中村氏は話す。
マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、今期の企業業績の1割減益を見込む場合の日経平均のフェアバリューについて3万4000円半ばから後半と試算している。広木氏は「不透明感がある中では、短期的なリバウンドはあり得ても、続かないだろう。しばらくは3万3000円─3万5000円のレンジを見込んでいる」と話している。
(平田紀之 編集:橋本浩)