1万5800年前の欧州に「漁網」が存在していたことが判明...最新技術が可視化した「初の物的証拠」とは?

漁網(写真はイメージです) Geet Theerawat-Shutterstock
<ドイツにある後期旧石器時代の遺跡から見つかったのは──>
最終氷河期に当たる1万5800年前の遺物に、驚くべき彫刻が見つかった。昨年11月に科学誌PLOS ONEに掲載された論文によれば、ドイツのライン川岸にある後期旧石器時代のゲナースドルフ遺跡で発見された石の飾り板に、網のような格子模様と魚が描かれていた。
【画像】最新技術で石から浮かび上がった網のような格子模様と魚
「ヨーロッパ先史時代に漁網が使われていた初の物的証拠だ」と、論文の筆頭執筆者である考古学者ジェローム・ロビタイユは語る。これまでも漁網の存在を示す間接的証拠はあった。今回は高度な画像技術の反射率変換画像(RTI)で400枚以上の石を調査し、明確な画像を示した。「RTIの『鏡面反射光強化』モードは、通常の照射では見えない微細な線を識別可能にする」と論文にはある。
「当時の社会で、漁業が重要な役割を果たしていたことが示唆された。漁業は生存戦略であり、芸術表現にもなり得た」と、ロビタイユは言う。
<参考文献>
Robitaille, J., Meyering, L., Gaudzinski-Windheuser, S., Pettitt, P., Jöris, O., & Kentridge, R. (2024). Upper Palaeolithic fishing techniques: Insights from the engraved plaquettes of the Magdalenian site of Gönnersdorf, Germany. PLOS ONE, 19(11), e0311302. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0311302