ドイツの街角から
バーデン地方の「ワインと食のハーモニー」を探る旅 その2
スパークリングワイン専門のワイナリー・ライネッカー
マルクグレーフラーラント地域アウゲンを訪問。1987年創業のライネッカー醸造所では、ゼクト専用セラーでゼクト(スパークリングワイン)を伝統製法を導入し、開始当初からシャンパーニュがスタイルの規準となる伝統的な製法で生産しているそうです。
「自分の満足できるスパークリングワインができたのは最近です」と、創業者のヘルベルト・ライネッカー氏(上の画像)。
同醸造所で特記したいのは、ヘルベルト氏のアイデアで、ゼクトの生産設備のない小規模の醸造所のために、ゼクトを仕上げる工程を引き受ける委託生産の醸造所を設立し、約150の顧客を持つそうです。現在は長男のステファン氏と共に醸造マイスターを務め、ゼクトを生産しています。
「ドイツのトスカーナ」とも称される、温暖な天候と地形に恵まれたバーデン地方南部のマルクグレーフラーラントは、千年以上も前からワイン造りが行われている歴史あるワイン産地です。西側と南側をライン川で囲われたこの地は、フランス、スイス、ドイツ3国の文化が入り混じる非常にユニークな場所です。
バーデンヴァイラー・レマーベルク、アウグゲナー・シェフス、フォイヤーバッハ・シュタインゲッスルの3つのテロワールが競い合う「3層セット」は、刺激的で壮大なワインとして有名です。
取材の最終日は、ライネッカースパークリングワインと共に、料理を頂きました。
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最後に。
ドイツワイン協会のHPには、ワイント食のハーモニー、ペアリングのヒントが掲載されています。ドイツ語の方が詳しく書かれていますが、英語版もあるので是非参考にして下さい。
個人の嗜好や飲食時の体調や気候により、ワインの味覚は変わってくることも多いかと思います。まずワインを試飲しながら、どのワインがどの料理あるいは食材に合うのか探していくのも楽しみのひとつでしょう。今夏はワインを入手し、自宅で料理をしながらペアリングを楽しんでみませんか。
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko