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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

バーデン地方の「ワインと食のハーモニー」を探る旅 その2

前回に続き、バーデン地方のワインと食のハーモニーを探る旅をご紹介。今回はグリルスクール体験とオルテナウ、そしてバーデン地方ワイン女王ジェシカさんの故郷マルクグレーフラーラント地域を巡りました。(画像はすべて筆者撮影)

ドイツでは太陽が光り輝く時節になると、一気に屋外でバーベキューグリルを楽しむのが常。そこでグリルを本格的に学ぶ学校もあちこちに開設されるようになりました。

かつてドイツで最も美しい村に選ばれたザスバッハヴァルデンのグリルスクールを訪ね、前菜、肉料理、魚料理のコツを学びながら、ワインと食事を味わいました。この村は黒い森の北部に位置するホルニスグリンデ山の西斜面のオルテナウ地域に属し、70%以上が森林で、ブドウ畑に囲まれた素晴らしい環境に恵まれています。

ワイン産地としてのオルテナウ地域は、酸の量が少なめのリースリングの理想的な生育条件が揃っています(バーデン地方の9地域にわたるブドウ畑はその1をご覧ください)。

ザスバッハヴァルデンのグリルスクールへ

ワーグナーグリルスクールのオーナークラウス・ワーグナー氏は、テレビやセレブリティシェフ、マジョルカ島トップテンシェフ、映画撮影現場へのケータリング、ドイツガストロアワードの審査員を務めるなど多岐にわたり活躍している方です。今回は彼の指導のもと、グリルのコツを学びながら調理した料理とワインのマッチングを学びました。

IMG_9163.JPG2002年にザスバッハヴァルデンで料理教室を開校し、その後グリルとバーベキュースクールを開校したそうです。料理教室とグリルスクールは2014年、ドイツ最高の料理教室の仲間入りをしたという折り紙付きです。

IMG_9120.JPG肉や魚の取り扱い、下準備、グリルのたれの作り方や料理に使うオイルの選別法などをクラウス氏(上の画像左)が説明、その間、息子アントンさん(右)が調理を担当しテキパキと進めていきます。グリルは通常、屋外で催されますが、当日は天候不順のため、屋内での調理です。

IMG_9173.JPGアントンさんがグリル肉にタレを塗って焼いていると、なんだか醤油の匂いがしてきたので、タレに醤油を使っています?と尋ねると、そうですといい、秘伝のたれの作り方を教えてくれました。「しょうゆ、蜂蜜、酢、トマトピューレ、ひまわり油を使ってます」。そして、「一度日本に行って是非とも焼き鳥を食べてみたい」と言うではないですか。

最近はどんな小さな街を訪ねても、日本の食文化に憧れを持つ人がいると知り、うれしい限りです。ドイツでも和食は爆発的な人気を集めており、料理番組ではゆず、パン粉、ラーメンなど競って和食材を取り入れる料理がトレンドとなっています。

次は魔女がフラグシップのワイナリーへ

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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