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「買い物弱者」問題のこれから──食材宅配サービスから考える、免許返納後の暮らし
毎週月曜日の12時頃に、1週間の食材カタログと前の週に注文した食材を届けてくれる。不在の時は、カタログはポストの中に、食材は家の前に半日分の保冷剤を入れて置いていってくれる。食材カタログには、生鮮食品、冷凍食品、調味料などの他に、生活関連のページもある。緊急事態宣言でオンライン会議が増えて、直接人と会わない日も多いなか、毎週顔見知りの担当者が自宅を訪ねてくれるのも嬉しい。
筆者は「3日分の時短ごはんセット」3人分(約5千円)を愛用している。15〜20分の短時間で豪華な一汁三菜ができるようになっている。多く作って2回に分けて食べたり、余った食材で簡単に一品作ったり、自分で使い方をアレンジすることもできるため、3人分の食材がちょうどいい。栄養のプロが考えた時短メニューは、作るたびに目から鱗で、献立のマンネリ化に悩んでいた筆者は重宝している。
コープの宅配サービスは基本的にアナログで、カタログも紙に鉛筆で書き込むため、高齢者にやさしい。もちろん、スマートフォンを使って注文することもできる。
遠くに住む父母の買い物が心配で、見守りも兼ねてほしいという家族のケースなどにはちょうどいいと感じた。
生協の届かない地域は?
一方、献立と食材や調味料のセットではなく、キャベツ、バナナなどの単品での買い物になると、自分で目利きした品物を購入するわけではないので、期待外れな食材が届くこともある。多くの知人がコープの宅配を利用しているが、この点に不満を感じることが多いようだ。
また「今すぐ欲しい」というニーズには応えられない。スーパーやコンビニのように、すぐには入手できないのは難点だ。その代わりに事前にまとめて注文することで食品ロスを防ぎ、人口の少ない地域での配送も可能にしている。
では、生協の届かない地域はあるのか?
埼玉県で展開している生活協同組合パルシステム埼玉に問い合わせたところ、「秩父などの山間部も含めて埼玉県全域に対応している」と回答があった。同組合は、食品ロスを減らすため、店舗を持たず、自宅への配送に特化している。
筆者はこれまで1つの県につき、1つの生協しかないものと思っていた。実際には、1つの県にいろいろなタイプの生協がある。埼玉県には、パルシステム埼玉の他にもいくつかの生協がある。店舗があったり、サービス付き高齢者住宅、共済保険などのサービスを展開している生協もある。
各生協で事業形態が異なるため、居住地域にどんな生協があるのかを知っておいて損はないだろう。
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