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EU・インド急接近で変わる多極世界の地政学...「新スパイスの道」構想は前進するか
一帯一路が、かつてのシルクロードを思わせるものなら、IMECは、かつてヨーロッパ人が香辛料を求めて大航海に旅立った時代の「スパイスの道」を連想させる。
インド西岸からアラブ首長国連邦まで海路でつながり、鉄道で中東(サウジアラビア、ヨルダン)を経由してイスラエルへ、そして再び海をわたり、ギリシャ(またはイタリア、フランス)経由でヨーロッパへとつながる、野心的なネットワークの構想である。基本的には、既存のインフラを使うことになっている。
このルートには、水素パイプラインと海底光ファイバーケーブルの敷設が期待されている。
もともとの目的は?
バイデン前大統領が、同盟国(アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル)と共にこのイニシアティブを立ち上げたと言われる。
もともとは、中東におけるイランの影響力を念頭に入れ、イスラエルと中東諸国との関係正常化を強化する意図があった。そこに欧州を加えることで、インド太平洋における戦略を強化し、一帯一路による中国の影響力に対抗することを考えたのだ(ちなみに、イタリアは一帯一路から抜けて、こちらに入っている)。
インドには中心的な役割が与えられており、中国による包囲網から脱することができるようになる。スエズ運河に代わるものをという必要性も満たす。日本も他人事ではいられない。今、中東情勢のために、日本の海運大手(日本郵船、商船三井、川崎汽船)はスエズ運河を航行できないでいる。
しかし、問題が山積みだ。何と言っても6000億ドルと言われる資金と、中東情勢の不安定さである。最大の試練はステークホルダーの意欲と言われている。
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