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EU・インド急接近で変わる多極世界の地政学...「新スパイスの道」構想は前進するか
インド太平洋の安全保障での期待
EUは、インドとのFTA交渉が困難であることは分かっている。
「そのために目的を変更し、インドにおける安全なサプライチェーンの確保による経済安全保障の強化や、安全保障問題への対応など、他の分野での協力範囲を広げることにしたのです」と、欧州外交評議会(ECFR)のジェームズ・クラブツリー研究員は説明する。
EUはインド太平洋地域の安全保障に対して、より大きく関与したいと望んでいる。同地域で起こることは欧州に影響を与えると考えているのだ。
ここでEUがインドと結びたいと望んでいるのは、2024年に日本と結んだものと同じような、安全保障と防衛に関するパートナーシップである。内容は、海洋や宇宙の安全保障、テロとの戦いといった分野において、民間を含む軍事協力の枠組みを構築することにある。
EUがこのような安保のパートナーシップを結んだのは、欧州以外では日本が初めてだった。韓国、そして今度はインドである。
インド側でも、基本的に自由で開放的かつ安全なインド太平洋地域に関心を持っていると、ある欧州政府交換はユーロニュースに語っている。
「新スパイスの道」構想──「インド・中東・欧州経済回廊」の行方
この両者の接近は、「インド・中東・ヨーロッパ経済回廊」にどのような影響を与えるのだろう。
この回路は「IMEC(India-Middle East-Europe Economic Corridor)」と呼ばれる、4800キロの大陸横断貿易回廊である。インド、中東、欧州の市場間の経済統合を大幅に高めることを目的としている。
構想は、2023年にEU、インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカが、ニューデリーで開催されたG20サミットの際に署名した覚書によって、初めて発表された。
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