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H3ロケット3号機打ち上げ成功、「だいち4号」にかかる防災への期待...「攻めの姿勢」で世界に示した技術力の優位性
とはいえ、1号機の失敗は、第2段エンジンが点火せずに推力を失ったことが原因です。筆者が有田氏に「推力を抑えることに心配はなかったですか」と尋ねたところ、「搭載する『だいち4号』は大切な衛星なので、関係者に『衛星に優しいつくりである』ことを説明し、納得していただいた。もちろん、うまく機能する自信があります」と話していました。
「うまくいっているロケットは、変えてはいけない」と語ったのは、米アポロ計画を主導した科学者ヴェルナー・フォン・ブラウン博士です。しかしH3ロケットの関係者は、開発に敢えて攻めの姿勢を貫き、宇宙輸送で日本の技術力の優位性を見せることに成功したと言えるでしょう。
有田氏は打ち上げ成功後、「だいち3号を失った初号機では、失敗したその日に『大変申し訳ない。必ずH3ロケットを立て直す』と関係者に語った。その意味ではホッとしているし、今後も連続成功あるのみだ」と力を込めました。
地殻変動をより迅速に発見できる可能性
さて、3号機が宇宙に運んだ「だいち4号」は先進レーダ衛星です。
地球観測衛星「だいち」シリーズには、①可視光から近赤外線を観測できる光学センサと合成開口レーダー(SAR)を積載。東日本大震災時に緊急観測を行った初代「だいち」(06~11年)、②SARを積載し、5年の設計寿命を超えた現在も現役で活躍。24年1月の能登半島地震後の地殻変動の解析にも役立った「だいち2号」(14年~)、③光学センサを積載し、初代だいちの機能を継承する予定だった「だいち3号」(23年に打ち上げ失敗で喪失)、④SARを積載し、だいち2号の後継かつ進化版である「だいち4号」(24年~)があります。
光学センサと比べてSARが優れているところは、電波で観測するため太陽光を必要とせず、夜や厚い雲がかかっていても同じように高い解像度の画像が得られることです。
だいち4号は、3メートルの分解能で1度に幅200キロ(だいち2号は1度に50キロ)の範囲を観測できます。わかりやすくたとえると、千葉県の犬吠埼から富士山までの幅のデータを一気に取得することが可能です。
日本全域のデータを14日間で取得できるので、「前回との差」をより頻繁に探れます。つまり、地震や火山噴火につながったり、水害や土砂崩れの兆候などが見られたりする地殻変動をより迅速に発見できる可能性が高くなり、災害の事後把握だけでなく異変の早期発見が強化されることで防災につながることが期待されます。
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