ドイツの街角から
日独デザイン交流プロジェクト「デザインクラッシュ」ポップアップ展へ
「デザインクラッシュ・フェスティバル2025」への思い
「フェスティバルの規模はポップアップ・イベントよりも間違いなく大きくなるでしょう。もちろん、現在の状況を見て、どのように進めていくかを決めるつもりです。より多くのデザイナーと一緒に出展し、スピーカーを招いて講演をしてもらい、場合によってはデザイン・マーケットも立ち上げ、言葉の壁があるために容易ではない対話も促進したいのです。私たちは、デザインクラッシュを仲介役としてお互いを理解し、素晴らしいデザインを紹介し、より多くの人に知ってもらいたいのです」(リリーさん)
今後の展望は、デユッセルドルフで毎年開催されるデザイン展示会「デザインクラッシュ」の設立を目指すことだという。当初は日本とドイツのデザイナーに焦点を当て、デュッセルドルフを拠点とするが、枠を超えて知られるようになることを望んでいるそうだ。
今回の取材で多大な協力をしていただいたヘルマ・クレーマーさん(マーケッテイング開発部長)左と、トルステン・シェールさん(コンテンツコミュニケーション部長)ポップアップ展にて。
「デザインクラッシュ」プロジェクト実現の大きな転機となったのは約1年前。デュッセルドルフ観光局のイベントで シェールさんにアイデアを提案した。
「当時観光局長だったフランク・シュレーダーヘ打診すると、このアイデアに賛同し、当局の支援が決定しました」と、シェールさん。
こうしてデザインクラッシュはデュッセルドルフ観光局の公式プロジェクトパートナーとなり、すでに2025年の支援確約も得た。
「デザインクラッシュは2つの文化の融合を表現し、日独交流の重要性を強調しています。このプロジェクトは、デュッセルドルフと日本の深いつながりを称えるものです。デュッセルドルフが日本人コミュニティにとって国際的に重要な中心地であることをさらに証明するものです」(シュレーダーさん)
来夏開催予定の「デザインクラッシュ・フェスティバル2025」がどのように展開されていくのか楽しみだ。
取材協力・Visit Duesseldorf(デュッセルドルフ観光局)
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko