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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

日独デザイン交流プロジェクト「デザインクラッシュ」ポップアップ展へ

日本のデザインはキュートで遊び心もたっぷり 

アレックスさんはポップアップ展開催にあたり、日独デザインのアプローチの違いを次のように語っている。

「妻のリリーと私は10年以上前からデュッセルドルフで日本文化に熱中し、刺激を受けてきました。料理であれ、パッケージデザインであれ、人々であれ、ここデュッセルドルフで異文化を垣間見ることができるのはとてもありがたいことです」

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「日本のデザインは、色やイラストレーションを使う勇気があります。これは、長い間、特にやや厳格なドイツのバウハウスの伝統では考えられなかったことです。私たちは、日本のデザインがいかにミニマルでエレガントでありながら、同時にキュートで遊び心に溢れているかに魅了されています。日本のデザインがドイツに与える影響はとても良いことだと思います」(アレックスさん)

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また、日独の友好、異なるデザイン観の交流、クリエイティブ産業の認知度向上を目的とし、日本のかわいらしさ、ドイツの実用性、そして未来への夢について、リリーさんはこのプロジェクトのアイデアをこう語っている

「いろいろな要素が重なりました。訪日したことはないのですが、日本文化のファンなのです。夫アレックスと私は、デザイン・フェスティバルのアイデアをよく考えていました。なぜなら、例えばアートシーンと違って、デザインシーンは私たちにとって十分に目に見えるものではないからです。私たちはとにかく日本文化に熱中しているし、一方キヨは日本からデザイナーの友人を招きたいと考えていました。私たち3人ともデュッセルドルフが好きだし、日本やリトルトーキョーがますます中心的な存在になりつつあるのも事実です」  

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プロジェクトのアイデアはどこから?  

アントワープの Us by nightから少しインスピレーションを受けました。アントワープをデザインシーンでより際立たせ、出会いの場にしたデザインフェスティバルです。将来、デザインクラッシュがデュッセルドルフに同じような効果をもたらすことができれば最高です。地元のクリエイティブ産業は規模が大きいのですが、まだ十分な存在感がありません。アートと商業的に利用されるクリエイティビティの接点としてのデザインは、もっと強く認識されるべきだと私たちは考えています。そこで、日本とデザインというトピックをリンクさせるというアイデアが生まれたのです」と、熱く語るリリーさん。

「日本では、ドイツのバウハウスやミニマリスト、厳格なものへの憧れが強いかと。しかし、彼らは派手でカラフルな要素を加えることで、この完璧主義を打ち破ることに成功しています。非常に高い基準を持ちながら、同時にかわいらしさも兼ね備えているのです。私はそれがエキサイティングだと思うのです」(リリーさん)

2025年デザインクラッシュ・フェスティバル...

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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