ドイツの街角から
日独デザイン交流プロジェクト「デザインクラッシュ」ポップアップ展へ
両国のデザインやイラストを通じて学び合いたい
このプロジェクト発起人はデュッセルドルフを拠点に活動するキヨ(本名・松本清孝、活版印刷会社オーナー・デザイナー)さん、デザイン事務所を運営するリリー(リリー・フリーデベルク)さんとアレックス(アレクサンドロス・ミヒャラコポウロス)さんによるもの。
左からリリーさん、アレックスさん、キヨさん
キヨさんはこれまでの経緯を説明してくれた。
「簡単にいうとデザインクラッシュは、リリー、アレックス、僕の3人で企画している、ドイツと日本のグラフィックデザインとイラストレーションを中心に、両国の交流を深めることを目的としたプロジェクトです。このプロジェクトを通じて、デザインカルチャーをより多くの人々に浸透させることができたら嬉しいし、デザインやイラストを通じて互いの国の言葉、感性、文化なども学び合えれば最高!それから、また、こういうデザイン展覧会を見ることによって、普段は見過ごしがちかもしれない街中のポスターやデザインビジュアルに対する意識を高めるきっかけを提供することも、実は狙いであったりします」
デザインクラッシュ(DEZAIN CRUSH)という名前の由来は?
「うちら、3人でいろいろアイデアを出し合って、決めた名前です。クラッシュ(『U』の crush)は、英語では「誰かに対する好意や憧れ」(例えば、I have a crush on her/him. 彼女/彼に片思いしている」)の意味で使われることが一般的だけど、ここでは『デザインが大好き!』『デザインに対する情熱や好意』を表す感じで使っています」
なぜ3人で?
「最初は、二人ともうち(Letterpress 77)のお客さんで、リリー (Design Studio BOB)とアレックス (Morphoria)のスタジオの名刺や、お客さんとかの物(名刺、招待状、ホリデーカードなど)を活版印刷でプリントしてあげてたんですよ。それで、何回も注文が来て、仲良くなっていった感じです」
「デュッセルドルフに引っ越してきて18年になります。デュッセルドルフの人々はとてもフレンドリーで、それも日本人がこの街を好きな理由のひとつだと思います。私たちの夢は、デザインクラッシュの交流を通して、この街にデザイン文化を届けることです」(キヨさん)
日独デザイナー観...
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko