ドイツの街角から
ドイツワイン業界の最新トレンド ヴィノテーク建築賞受賞ワイナリーを訪ねて・その2
「リースリングはわがワイナリーのパッション」と、家族経営5代目フロリアン・ラウアー氏(画像・右は同氏妻)が造るワインは100%リースリング。ザール州で最高の急斜面にあるブドウ畑アイル・クップのほかに、モーゼル地方で重要な2つのブドウ畑を栽培している。長年にわたり、同ワイナリーの白ワインはザールのベストワインのひとつに数えられている。また、卓越したスパークリングワインも好評。ワインレストランとホテルも併設している。
取材最終日の夜に最適の場所で、ワインと料理を満喫した。
以下、料理を画像でどうぞ。
前菜・ノルウェー産サーモンタルタルとポテトパンケーキ
主菜・ザンダー(スズキ科の淡水魚)とリースリングザワークラウト主菜・ベジタリアンメニュー・クスクスと野菜デザート ワインアイスとマリネブドウワイナリー巡りをして、いつも痛感するのは1本のワインに膨大な労働と情熱が詰まっていること。しかもドイツワインは割に合わない程、安価で、一体元が取れているのだろうかと他人事ながら心配してしまう。750ml入り1本10ユーロで、上質のワインが入手でき、消費者にしてみればうれしい限りだが。
最近日本でワインを買うことも全くなくなったので、今の価格は不明だが、かつて普段飲むワイン3000円程、誕生日や特別な日に飲むワイン1万円以上支払った記憶がある。
だが、「価格を上げることはできるが、そうすると売れなくなってしまう。値上げには慎重にならざるを得ない」と、ワイン生産者。
今回の旅ではヴィノテーク建築が中心だったものの、ワイン醸造にかける経営者のほとばしる熱意と意欲に頭が下がるばかり。ドイツ観光でワイナリー巡りをすることはあまりないかもしれないが、刻々と進化するヴィノテークは一見の価値ありだ。
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko