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「欧州の端」から世界を見詰めて
■重要だがイラつく複雑なEU観
このタイトルにした第二の理由は、EUが現代のイギリス政治にとって最重要の問題の1つになっているから。一般的なイギリス人は、イギリスがEUの一員であることをあまり快く思っていない。EU加盟による経済的なメリットはあるだろうが一般国民にはイマイチ実感がないし、むしろ加盟によって主権が損なわれるのが我慢ならない。
反移民・反EUを掲げる極右のイギリス独立党(UKIP)が台頭しているのも、労働者階級や下流中産階級にEU離脱の願望が広がっているからこそだ。UKIPはイギリス政治の現状を変えることになるかもしれない。
保守党政権は、今年行われる総選挙で勝利を収めたら、ずばりEU加盟の是非を問う国民投票を実施すると約束している。国民投票はおもしろいことになるだろうし、イギリスがついにEUから「手を切る(edge out)」瞬間になるかもしれない。イギリスには、EUに好意的な人よりも忌み嫌う人のほうが多い。問題は、中間層がどちらに転ぶかということだ。
最後に、新タイトルは内輪の冗談みたいなものでもある。僕のアクセントは出身地が判別しにくいようで、(英語圏の人にもそれ以外の人からも)母国はどこですか、と聞かれることがよくある。僕と同郷の友人たちも同じ目に遭っているらしい。
何年か前、僕たちはちょうどいい答えを思いついた――「僕はヨーロッパ沖合の小さな島の出身です」。
今でもなかなかうまい回答だとは思っているが、混乱させてしまった人にはすまないなと思う。
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