ドイツの街角から
ドイツ・2023年クリスマスの人気プレゼント、予算、料理は?
クリスマスの食卓
クリスマスを心待ちにしていることのひとつは、友人や家族と過ごす時間、そして皆で囲むクリスマスディナーだ。
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ドイツのほとんどの家庭では、伝統的にクリスマスには例年同じ料理が食卓に上る。ソーセージとポテトサラダが最も好まれているが、鴨のローストやガチョウも人気。魚料理や自分の好きな量だけ食べることのできるチーズや肉のフォンデュ-も好評だ。デザートにはクリスマスクッキーやシュトレン、チョコやナッツがよく食される。
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クリスマスにソーセージとポテトサラダを食するのが人気とは、意外と思うかもしれない。ドイツの親族の食卓でも目にしたことがなかった筆者も以前は驚いた。というのも、いつでも食することのできる質素な料理を伝統あるクリスマスの食卓に?という疑問からだが、これは食文化の違いだろう。
ドイツ人の思いは、食事も大切だが、年に一度、家族が集まる貴重な時間をより大切にしたいということだ。キッチンとリビングを行き来するよりも、今年あったことや思い出、来年行きたい場所や予定していることなど、対面でゆっくり話し合うことを重視することもよく理解できるようになった。
ドイツのクリスマスマーケット
©norikospitznagel シュツットガルトのクリスマスマーケットにて
国内各地で開催されているクリスマスマーケットは、クリスマスシーズンに必須のイベントと考えている人が60%近く。クリスマス休暇を迎えるまで、勤務後や週末に何度も足を運ぶ。年明けまで開催されているクリスマスマーケットもあり、年末年始の休日にゆっくり出向く人も多い。
クリスマスを心待ちにしている一方、今年もまた慌ただしい時期がやってきたとストレスを感じる人もいる。理由は「ショッピングやクリスマスマーケットでの人込みを好まない、迷惑に感じる、プレゼントのプレッシャー、クリスマス前後の移動のため国鉄の混乱」などという。
©norikospitznagel
それでも、家族が集まるクリスマス休暇を心待ちにしている人は多く、灰色の空が続くドイツの冬を乗り切る楽しみのひとつに違いない。
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko