ドイツの街角から
ドイツ・2023年クリスマスの人気プレゼント、予算、料理は?
クリスマスプレゼント予算は平均250ユーロ
EY調査によると、ドイツ人は今年のクリスマスプレゼントに平均250ユーロを使いたいと考えているという。この額は、219ユーロだった2014年以来、最低の数字となった。
コロナパンデミックの2020年と21年そして記録的なインフレに見舞われた22年は、クリスマスプレゼントだけでなく全体的に消費意欲は停滞、または低下した。それでも22年のクリスマスプレゼントの支出額は252ユーロだった。
ドイツ連邦統計局(以下Destatis)によると、インフレとエネルギーコストの上昇が、ドイツ人の消費意欲にブレーキをかけているという。回答者の36%が今年も以前と同じプレゼントを贈る予定だ。しかし、約3分の1が家族や友人にのみプレゼントを贈りたい、そして5分の1弱が手作りや安価なプレゼントのみを贈りたいという。
回答者の8人に1人は子供だけにプレゼントを贈る予定で、8%はすでに持っていて別に買う必要のないものを贈る。経済的な理由でまったくプレゼントを贈りたくないという回答者はわずか6%で、プレゼントを贈るためにローンを組んだり借金をしたりしたいという回答者はほとんどいない。
クリスマスツリーとキャンドル
©norikospitznagel
多くの人々にとって、自宅に本物のクリスマスツリーを飾ることは、クリスマスシーズンに欠かせないデコレーションとして楽しみにしている。ドイツでは国内の栽培では需要を十分に満たすことができないため、新鮮なクリスマスツリーは海外から輸入している。
しかし、その数は大幅に減少している。Destatisによると、2022年にドイツに輸入されたクリスマスツリーは合計180万本で、前年より24.5%減少した。輸入数が過去10年間で最高水準に達した2014年と比較すると、クリスマスツリー購買の減少率は37.1%にも達した。
輸入クリスマスツリーの大半(83.3%)はデンマーク産で、150万本が北の隣国から供給された。ポーランド産は12.4%(226,100本)、オランダ産は4.1%(74,500本)だった。
©norikospitznagel クリスマスマーケットで販売されているキャンドル
また2023年第1~3四半期に、海外からドイツに輸入されたキャンドルの総量は99,200トンで、前年同期(123,700トン)より約20%減少した。2023年に輸入されたろうそくのほとんどはポーランド(58.7%)からで、次いで中国(17.0%)、ハンガリー(6.3%)だった。2022年には合計194,300トンが輸入され、2021年より3.2%、2012年より36.2%増加した。
と、ここまでネガテイブなことばかりあげて、気が滅入るばかりだが、売上が伸びている小売店もあるようだ。家電小売部門の実質売上高は前年同期(第1~3四半期)比1.0%増、衣料品小売部門は同2.4%増であった。特に玩具小売(9.5%増)と靴小売(12.8%増)は大幅な伸びを記録した。
クリスマスに人気の料理は?
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko