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England Swings!

ラッシャー貴子|イギリス

英国式誕生日の過ごし方 − テイク・ザットのライブでおめでとう!

 会場の最寄駅に着くと、開演にはまだまだ時間があったのに、地下鉄のホームですでに人混みに飲まれそうになった。テイク・ザットの同世代だけでなく若い人もずいぶんいて、やはり女性が多い。駅を出ると彼女たちは特大ポスターの前で写真を撮り始め、そのうきうきオーラを受けて、こちらもさらに期待がふくらんだ。さあ、楽しもう!

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ライブ会場のO2(旧称ミレニアムドーム)に向かう人たち。黄色いマストが突き出たこの建物は世界最大級のドームで、アウトレットショップや飲食店も入っている。2万人を収容するホールでは大物アーティストのライブのほか、大きなテニスの試合も開かれる。筆者撮影

 ちなみに会場のO2はセキュリティがとても厳しく、A4サイズ以上のものは持ち込めなかった。あれ、それじゃプレゼントも持っていけないのでは? 友人は事前にメッセージを送ってくれた。「もしプレゼントを考えてくれてたら、ぜひチャリティに寄付してね」お祝いの代わりに寄付を、という考えは英国でも広まっている。さらに彼女は続けた。「みんなが来てくれることがいちばんのプレゼントだよ!」かっこいいでしょ。

 席に到着すると、お招きいただいたボックス席は想像以上にパーティールームだった。部屋の中央にソファとローテーブル、壁際のテーブルにはビュッフェ式の温かい食事が準備されている。入り口近くのバーには、わたしたちだけの飲食の世話をしてくれる専属の女性がにこにこと立っていた(彼女はライブ中もノリノリで、最高の盛り上げ役でもあった)。

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ボックス席というより、もはやパーティールーム。プレゼントの一部として用意されていた食事はつまみやすいピザ、バゲットのサンドイッチ、グリル野菜やサラダなどで、小さなケーキまであった。飲みものもシャンパンのほか、ビールやジュースもたっぷりと。ごちそうさまでした。筆者撮影

 部屋の向こう側にはステージに向かう座席が15人分あり、さらにその手前のカウンター席のハイチェアから5人がライブを観ることができた。立ち上がって踊っても誰の迷惑にもならないし、ライブを観ずにしゃべり続けるもよし、ライブにどっぷり浸るもよし。開放的な気分で自由に楽しめる。パーティー好きの明るい友人にぴったりのプレゼントだ。

 まずは乾杯して、にぎやかにやっていると、オリー・マーズのステージが始まった。オーディション番組「Xファクター」出身の彼は、全英チャート1位も獲得したポップシンガーだ。そんな人気者が前座に歌ってくれるなんて、これまたなんて贅沢なんだろう。40分ほどのライブの間、観客とのコミュニケーションが上手な彼に魅せられ、ノリのいい音楽に合わせて体が自然に動いてしまった。やっぱりライブはいいなあ。

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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