England Swings!
起源は中世にあり、母の日は3月か4月
とはいえ、さまざまな事情で母親がいないこともある。ここ数年で、こうした人たちへの配慮が高まっているを感じる。子どもだけでなく、大人も対象だ。よく聞くのは、登録した企業や店から送られてくる販促メールのうち、母の日の話題が入るものは拒否できるというシステムだ。簡単な操作をすれば、その業者からのメールで「母の日」という言葉を見ずにすむ。こう聞くと、少し過敏な扱いのようにも思えるけれど、それだけ母親がいないことに深く傷ついている人が増えているのだろう。コロナ禍の影響もあるのかな。このシステムはなかなか好評のようで、全国チェーンの庶民的なデパート、マークス&スペンサーも今年から開始しており、これからも広がっていきそうだ。
To all mothers everywhere, and to those who may be missing their mums today, we are thinking of you and wishing you a special #MothersDay. pic.twitter.com/v3ugcnH8pJ
-- The Royal Family (@RoyalFamily) March 19, 2023
実のところ、わたしは英国の母の日にはあまり関係がない。自分の子どもはおらず、結婚したときに夫の母はすでに他界していて、日本の母には5月に花を贈るからだ。それでも毎年、友人や夫の家族が子どもたちと過ごす写真や動画を見たり、話を聞いたりするのが大好きだ。ふだんからハグする習慣があるとはいえ、立派に成長して働いている男の子(もう男性ですね)が母親に抱きついて写真を撮っていたりすると、頬がほころんでしまう。わたしにとって英国の母の日は、よそのお宅の家族愛に心を温められる日だ。
母の日の3週間後にはイースターがやってくる。春はもう近い。
著者プロフィール
- ラッシャー貴子
ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。
ブログ:ロンドン 2人暮らし
Twitter:@lonlonsmile