NYで生きる!ワーキングマザーの視点
NYPDで唯一の日本人として17年間勤務したガイ京美さんが任期満了となった<前編>
Hiroe:他にも印象に残っている事件はありますか?
京美さん: 同時期に隣の25分署にも起きた事件なんですが、 当時、E 117 ストリートと1アベニューにドラッグストアがあって、そこにまた拳銃を使った強盗事件がありました。この犯人は警官に射撃することで有名で、この日も警官に向けて撃ちつづけていました。
近くのガソリンスタンドに偶然NYPDを引退した人がいて、警察間に向かって撃つ犯人を特定したので彼が犯人を射撃し、その場を制しました。現場で犯人の遺体を見たとき、「ニューヨークってなんて悲しい場所なんだろう」と思いました。
Hiroe:その時の状況が何か特別だったのでしょうか?
京美さん:96丁目より南側は裕福な人々が多く住むエリアですが、北側に行くと、月に3万円ほどで暮らしている人たちもいます。マンハッタンは多くの人が憧れる場所ですが、現実には、この遺体となった犯人のように、発展途上国から来たばかりのような服を着た人もいることで、貧富の格差を目の当たりにしたので。
取材の続編は1月に掲載します。
【ガイ京美さんプロフィール】
三重県生まれ。結婚し渡米後にテキサス州で高卒の学歴をとった後、コミュニティーカレッジを卒業。2003年よりアメリカ陸軍でイラクに派遣された。2008年1月よりNYPDで警察官としてニューヨーク市のパトロール勤務。2025年1月にNYPDでの任期満了となる。
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com