最新記事
SDGs

小さなSDGsをつなぐ──68社の参画、大学との共同研究、トランプ時代の意味【第2回SDGsアワード】

For a Better Future

2025年3月25日(火)12時45分
森田優介(ニューズウィーク日本版デジタル編集長)
ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024

(左の2人目から)「ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024」を受賞したパナソニック、KGホールディングス、中日本カプセル、生活クラブ連合会、和光紙器、沿線まるごとの各代表者。右端は本アワードの外部審査員を務めた蟹江憲史教授、左端は森田 PHOTOGRAPH BY NAOYUKI HAYASHI

<日本企業の持続可能な取り組みを広げ、サポートするため、2023年春に立ち上げたプロジェクト「ニューズウィーク日本版SDGsアワード」。第2回アワードの授賞式を去る3月11日に開催した>

嬉しい報告を聞いた。共にニューズウィーク日本版のSDGs(持続可能な開発目標)パートナー企業である三本珈琲(神奈川県)とナガセヴィータ(岡山県)が、共同での商品開発を目標に交流を深めている。

きっかけは、2024年3月に本誌が開催した第1回「SDGsアワード」授賞式で両社の担当者が意気投合したことだった。

食品の品質を長持ちさせるナガセヴィータの糖質を使った新商品が、フードロス削減に取り組む三本珈琲の店舗に並ぶ日はそう遠くないかもしれない。今はまだ「卵」にすぎないが、世界を変えようと志す「小さなSDGs」が広がり始めている。

ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024

今年度のSDGsアワード授賞式。パートナー企業の経営者やSDGs担当者ら110人以上が出席した PHOTOGRAPH BY NAOYUKI HAYASHI

日本でも世界でも、SDGsは企業の経営戦略と不可分になった。翻って、メディアはどうか。

世界を持続可能にするには、画期的な製品や大規模なプロジェクト、政府の規制や政策だけでなく、幅広い分野でのボトムアップの努力が不可欠だ。メディアはそうした努力を広げる働きを十分にしてきたか。

この問題意識から、本誌は2023年春に「SDGsアワード」プロジェクトをスタートした。たとえ小さな取り組みでも、それをメディアが広く伝えれば、他の企業で新しいアイデアにつながったり、何をすべきかの参考になったりするはず──。そう考え、日本各地の企業からプロジェクトへの参画を募った。

ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024

※第2回「SDGsアワード」パートナー企業、全68社のロゴを並べたもの

ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024

共同研究から特別賞を新設

2024年春に始動した2年目のプロジェクトには、化学メーカーから酒造会社、ホテル、造船会社、飲食チェーンまで、企業規模もSDGsに取り組む体制もさまざまな68社(上の一覧・左のグラフ参照)が参画。

それらの計86の取り組み事例を本誌ウェブサイトで次々に発信していった(SDGs記事の一覧はこちら)。

※今年度の受賞企業の紹介はこちら:輝きを放つ 受賞企業6社のサステナブルな挑戦【第2回SDGsアワード】

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政権、ハーバード大への圧力強化、助成金を追加凍結

ビジネス

午後3時のドルは140円後半、7カ月ぶり安値 リス

ビジネス

首都圏マンション、3月平均価格は2年ぶり1億円台=

ワールド

アングル:米国で子どもの自閉症診断数が過去最高水準
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 4
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 9
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 9
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中