午後3時のドルは140円後半、7カ月ぶり安値 リスク回避の流れ不変

4月21日、午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の140円後半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Shinji Kitamura
[東京 21日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の140円後半で取引されている。トランプ米大統領の関税政策や、連邦準備理事会(FRB)議長に対する圧力などが市場で引き続き不安視されており、円やスイスフランが買われるリスク回避的な動きが続いた。
週明けのドルは朝方から軟調で、早朝高値の142円前半から、正午前には一時140.61円まで下落し、昨年9月18日以来、約7カ月ぶり安値を更新した。
トランプ氏は日本時間きょう早朝、自身のSNSに「非関税の不正行為」8項目を投稿し、その筆頭に「為替操作」を挙げた。週内にも行われる日米財務相会談で、為替が議論の対象となる可能性があると見られているだけに「今後の交渉で日本が一段の円安是正を求められる可能性がある」(外銀トレーダー)との思惑が広がったという。
FRBが一段の利下げを行わないのは、パウエル議長の「政治的な駆け引き」だとトランプ氏が主張し、解任を検討しているとの報道も、ドル売り手掛かりとして話題になった。
ドル安は対円以外でも幅広く進行し、ドルは対スイスフランで10年ぶり、対ユーロで3年5カ月ぶりの安値を更新した。商品市場では金先物が連日の最高値を更新中で、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となる値動きを見せている。
<投機の円買い、過去最大の2.4倍に>
米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物非商業部門の取り組み状況によると、最新の15日時点で、投機筋の円買いが再び過去最大を更新した。
ふくおかフィナンシャルグループ・チーフストラテジストの佐々木融氏は「投機の円買いは、2016年に記録した昨年まで過去最高だった水準の2.4倍に達した。日米財務相会談で実効性のある合意がなければ、円買いポジションの巻き戻し(による円売り)が始まる可能性がある」と話している。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 140.64/140.66 1.1530/1.1532 162.19/162.20
午前9時現在 141.59/141.60 1.1448/1.1450 162.11/162.13
NY午後5時 142.17/142.18 1.1391/1.1394 161.94/162.02