最新記事
SDGs

小さなSDGsをつなぐ──68社の参画、大学との共同研究、トランプ時代の意味【第2回SDGsアワード】

For a Better Future

2025年3月25日(火)12時45分
森田優介(ニューズウィーク日本版デジタル編集長)

蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、同大学SFC研究xSDG・ラボ代表、Keio STAR副所長)

蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、同大学SFC研究xSDG・ラボ代表、Keio STAR副所長)/内閣府自治体SDGs推進評価・調査検討会委員、日本政府SDGs推進円卓会議構成員などを務め、国内外でSDGsや環境問題を中心に活躍。日本のSDGs研究の第一人者であり、国連事務総長の任命を受けた独立科学者15人の1人として「持続可能な開発に関するグローバルレポート(GSDR)2023」の執筆を行った。専門は国際関係論、サステナビリティー学、地球システム・ガバナンス。著書に『SDGs(持続可能な開発目標)』など。 PHOTOGRAPH BY NAOYUKI HAYASHI

そして日本のSDGs研究の第一人者である慶應義塾大学大学院の蟹江憲史教授を外部審査員に招き、厳正な審査を行ってアワード受賞企業を選出した。

去る3月11日、第2回「SDGsアワード」授賞式を東京アメリカンクラブ(東京・港区)で開催。この後、最優秀賞の事例を、ニューズウィーク米国版から世界に向けて発信する。

SDGsは未来に向けたアクションだ。企業から採用活動における課題として、SDGsネイティブとも呼ばれる若年層の考えを知りたいという声があったことから、今年度のプロジェクトでは蟹江教授の研究室と本誌編集部で共同研究を行った。

狙いとしたのは、サステナビリティーレポートや統合報告書を出しているような大企業だけでなく、中小企業を含む幅広い企業を対象としたサステナビリティーの指標を定めること。

学生ならではの視点を採り入れ、対象となるパートナー企業に書面調査を実施し、2次審査に進出した11社には学生たちによるオンラインインタビューを行った。その成果としてアワードで特別賞「学生部門賞」を新設し、授賞式で発表した。

日本企業の力が今こそ必要

授賞式に出席したのは、パートナー企業の経営者やSDGs担当者ら110人以上。蟹江教授と学生代表の藤田光燿氏(慶應義塾大学環境情報学部4年)による共同研究のプレゼンテーション、アワード受賞企業の発表(受賞企業の紹介はこちらの記事参照)を経て、その後は受賞企業6社の代表者と蟹江教授を交えてトークセッションも実施した。

農業の活性化から脱炭素実現に向けた「価値」の標準化、SDGsの理念伝達・アプローチ方法まで、切実かつ規模感が異なる質問が企業から投げかけられたのは、多様な企業が集うこのアワードならではかもしれない。

ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024のトークセッション

トークセッションにはアワード企業6社の代表者と蟹江教授、編集部から森田が参加した PHOTOGRAPH BY NAOYUKI HAYASHI

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ローマ教皇フランシスコ死去、88歳 初の中南米出身

ビジネス

IMF・世銀会合、「関税」一色に 二国間交渉が焦点

ワールド

イラン外相、22日に中国訪問 米国との核交渉巡り協

ビジネス

中国から米ボーイング機返送、2機目がグアム着=飛行
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 4
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 9
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 10
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中