トランプ関税がチャイナタウンを直撃...「中国製品」軒並み値上がり

4月18日、 米ニューヨーク・マンハッタン南部の中華街の一角、マルベリー・ストリートにある「スン・ビン食品店」では先週、袋入りせんべいが4.99ドル(710円)で売られていた。ニューヨークのチャイナタウンで14日撮影(2025年 ロイター/Kylie Cooper)
米ニューヨーク・マンハッタン南部の中華街の一角、マルベリー・ストリートにある「スン・ビン食品店」では先週、袋入りせんべいが4.99ドル(約710円)で売られていた。
しかし今週、トランプ大統領による中国製品向け追加関税が発動されると、同じせんべいの値段は6.99ドルに改定された。
米国全土の中華街は、激化の一途をたどる関税戦争の影響を痛感している。伝統的な薬や乾麺、ヒスイの宝飾品など中国から輸入されるさまざまな製品の価格が既に上昇し始めたからだ。
トランプ氏が打ち出した対中関税の累計税率は145%に達し、中華街で商売を手がける大半が家族経営の零細事業主を直撃している。多くの中国系移民は、他の品で代替できないような中国文化に必要な商品は中華街で入手している。
スン・ビン食品店のマネジャー、ジャスミン・バイさんは「関税の影響は大きいだろう」と話す。この小さな店で販売される春雨や蓮の実のペーストといった商品は、原料を含めて大半が中国から輸入され、一般的な米国の食品店では滅多に見かけることができない。
バイさんは「将来的には顧客が減って、購入量も少なくなるのではないか」と不安を口にした。
ニューヨーク市の小規模事業者支援部門によると、マンハッタン南部の中華街の住人の年間小売り製品・サービス支出は11億5000万ドルで、中華街での取引の約80%を地場の企業が占めるという。