トランプ関税がチャイナタウンを直撃...「中国製品」軒並み値上がり
不確実性に翻弄
二転三転するトランプ氏の関税政策は中華街の事業主らに混乱をもたらしている、と語るのは宝石で飾ったチェーンやペンダントがヒップホップアーチストから人気を集めているニューヨークの宝飾品店「ポピュラー・ジュエリー」を経営するエバ・サムさんだ。
サムさんは「突然の政策変更やエスカレートする関税のせいで、客に一貫した価格を提示するのがほぼ不可能になる」と嘆く。
ポピュラー・ジュエリーは24カラットの金や加工したヒスイを中国から輸入しており、サムさんは、既に輸入宝飾品の価格は10%引き上げざるを得なくなったと明かした。
この店で働くサムさんの息子、ウィリアム・ウォンさんは「長期でも短期でも意思決定をするのが極めて難しい。なぜなら関税が恒久化されるのか、どの分野に適用されるのか、あるいはトランプ氏が今後撤廃するのか判然としないからだ」と述べた。
ニューヨークの中華街の事業者支援に取り組む非営利団体「ウェルカム・トゥ・チャイナタウン」によると、この地域のほとんどの店が抱える在庫は1カ月か2カ月分しかない。
30年間中華街で働いてきた薬剤師ダニエル・デララッタさんの店も例外ではなく「後発薬の大半は向こう90日以内に価格が大幅上昇することになるだろう」という。
現像に使う素材などを中国から仕入れているという写真店「エリズ・デジタル」の店主も、長年値上げせず頑張ってきたものの、関税によって値上げはやむを得なくなるだろうと述べた。