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画家のムンクを思わせる、エジプト革命の写真
そんなエル・タンタウィにとって写真は、彼女の言葉を借りれば、自分自身と周りの世界を理解するツールだ。いや、彼女自身の生き方さえも、異なった価値観、文化がもたらした葛藤が何であるのかを追い求めるようになっている。事実、2005年に新聞社を辞めてカイロに行ったのもそのためだ。
カイロではさらなる運命的な出合いが待ってた。もちろん、タハリール広場を発端にしたエジプト革命のことだ。単なる被写体としての革命、あるいはそれに参加、もしくは巻き込まれた人々との遭遇という意味ではない。
【参考記事】強権の崩壊は大卒失業者の反乱で始まった【アラブの春5周年(上)】
エジプト人であることを自らの最大のアイデンティティとして位置付けようとしていた彼女にとって、2011年のタハリール広場と、それ以降の動乱で見たエジプト人たちの姿は、それまで彼女が知っていた、あるいは思い描いていたエジプト人とはまったく違っていたのである。それゆえ、彼女の中にさらなるアイデンティティの葛藤が生じたのである。
だが結局それは、多くのアーティストたちが逆境をバネとしたように、エル・タンタウィにとっても大きなエネルギーの糧になっていった。新たな自分探しに加え、彼女自身が意識するしないに関わらず、異なる世界への架け橋的な探求という旅が始まったのである。
*すでにインスタグラムでも発表されているが、この探求は彼女の新しい写真集"Beyond Here Is Nothing"にまとめられて発表される予定だ。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Laura El-Tantawy @laura_eltantawy
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