最新記事
少子化対策

月1000円で住める「1万ウォン住宅」が韓国でブーム 出生率0.75の危機への処方箋なるか

2025年3月9日(日)13時10分
佐々木和義
ソウル市龍山区二村(ヨンサンくイチョン)にあるマンション

ソウル市龍山区二村(ヨンサンくイチョン)にあるマンション(筆者撮影)

<深刻な少子化に悩む韓国で、若者向け超格安「1万ウォン住宅」が拡大中。住宅支援は効果を発揮するか>

2025年1月2日、ソウル市銅雀区(トンジャクく)は1万ウォン住宅に入居する7世帯を選定したと発表した。月家賃1万ウォン(約1,020円)の住宅は韓国自治体が取り組んでいる施策で、少子化対策につながる期待が持たれている。

韓国の合計特殊出生率は2015年から8年連続で減少し、OECD加盟38カ国の最低となっている。24年は前年を0.3ポイント上回る0.75となったが、それでもOECD加盟国の平均1.51の半分に過ぎない。2045年には高齢化率が日本を抜いて世界1位になり、2100年には人口が2000万人を割り込むというのが国連の低位推計だ。


 

韓国の多くの若者が結婚せず、また結婚しても子供を産まない背景に家計不安がある。ソウル首都圏などで住宅価格が高騰し新婚夫婦が家を持つなど夢物語になっているからだ。夫婦生活だけでも手一杯で、将来塾に通うなどの教育費がかかる子供をもうけるところまで手が回らないというわけだ。

ソウル市銅雀区の1万ウォン住宅は面積28〜64平方メートル。2部屋または3部屋で1軒を除いて駐車場もあるという。基準所得以下の19〜39歳の住宅を所有していない新婚夫婦を対象に募集したところ、7世帯の募集に100人余りが応募した。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は急反落、一時2000円近く下落 米中摩擦

ビジネス

イオン、26年2月期は13%営業増益見込む 市場予

ビジネス

英GDP、2月は前月比+0.5%・前年比+1.4%

ビジネス

SHEINのロンドン上場、英国が認可 中国の承認待
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が見せた「全力のよろこび」に反響
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 10
    右にも左にもロシア機...米ステルス戦闘機コックピッ…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 9
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中