月1000円で住める「1万ウォン住宅」が韓国でブーム 出生率0.75の危機への処方箋なるか

ソウル市龍山区二村(ヨンサンくイチョン)にあるマンション(筆者撮影)
<深刻な少子化に悩む韓国で、若者向け超格安「1万ウォン住宅」が拡大中。住宅支援は効果を発揮するか>
2025年1月2日、ソウル市銅雀区(トンジャクく)は1万ウォン住宅に入居する7世帯を選定したと発表した。月家賃1万ウォン(約1,020円)の住宅は韓国自治体が取り組んでいる施策で、少子化対策につながる期待が持たれている。
韓国の合計特殊出生率は2015年から8年連続で減少し、OECD加盟38カ国の最低となっている。24年は前年を0.3ポイント上回る0.75となったが、それでもOECD加盟国の平均1.51の半分に過ぎない。2045年には高齢化率が日本を抜いて世界1位になり、2100年には人口が2000万人を割り込むというのが国連の低位推計だ。
韓国の多くの若者が結婚せず、また結婚しても子供を産まない背景に家計不安がある。ソウル首都圏などで住宅価格が高騰し新婚夫婦が家を持つなど夢物語になっているからだ。夫婦生活だけでも手一杯で、将来塾に通うなどの教育費がかかる子供をもうけるところまで手が回らないというわけだ。
ソウル市銅雀区の1万ウォン住宅は面積28〜64平方メートル。2部屋または3部屋で1軒を除いて駐車場もあるという。基準所得以下の19〜39歳の住宅を所有していない新婚夫婦を対象に募集したところ、7世帯の募集に100人余りが応募した。