コラム

首都圏の大雪災害に備えて、計画運休を定着させるべき

2020年01月28日(火)17時45分

カレンダーの問題もあります。今回は悪天候のピークが首都圏の場合は火曜ということで、鉄道事業者も利用者側も月曜日に計画を立てることができましたが、昨年の多くの台風がそうであったように、日曜から月曜が悪天候という予報の場合は、各事業所が判断できる金曜日のうちに「運休の計画」を知らせる必要があります。カレンダーによっては、ブレの大きい「南岸低気圧の予報」をベースに、72時間前に判断をする必要が想定されるケースもあると思います。

そう考えると、今回のケースでももっと大規模な「計画運休」を検討しても良かったという考え方もできます。東京五輪を前に、首都圏の多くの事業所は大規模なテレワークを可能にする体制を整え始めています。そのテストを兼ねて、次に「南岸低気圧」が通過する予報が出た場合は、公的交通機関として台風並みの早めの「計画運休」を実験するのも良いかもしれません。

もちろん、空振りの可能性は大いにあります。ですが、計画運休という制度を定着、運用することには、「空振りを社会が受け入れる」ようにすることも含まれることを考えると、やはりやってみるべきでしょう。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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