【韓国大統領選】李在明と尹錫悦の経済政策、不動産政策、労働政策を比較する
実は、投票日まで20日を切った2月20日現在まで、両候補は多くの公約を発表してきた。両候補が公約とした政策にはどのような違いがあるだろうか。今回は両候補が今まで発表した公約を中心に、経済政策、不動産政策、労働政策について簡単に比較をしてみた。
李在明、尹錫悦候補のプロフィール
李在明、尹錫悦候補の主な政策比較
李在明、尹錫悦候補の主な経済政策比較
まず、経済政策から見てみよう。李候補は政府の役割拡大を中心とする大きな政府を目指していることに比べて、尹候補は政府の役割をできるだけ小さくし、民間を中心に経済を成長させる小さな政府を志向している。
李候補は、基本的に政府の財政移出を拡大し、インフラを構築すると共に先端・基礎科学分野に投資し、未来型人材を育成する計画である。また、経済成長については「555公約」を挙げている。「555公約」とは、大統領任期の5年間で国力を世界第5位にし、一人当たり国民所得は5万ドルにする、そして株価(KOSPI)を5,000まで引き上げるという経済目標である。
一方、再分配政策としては基本シリーズと言われる「基本所得(ベーシックインカム)」、「基本住宅」、「基本貸出」を実施することを表明している。「基本所得」とは、政府が全国民に一定金額の現金を定期的かつ継続的に支給する制度であり、李候補は増税分を財源に段階的に「基本所得」を支給・拡大したいと考えている。
李在明、尹錫悦候補の主な経済政策
具体的な金額と実施時期については反対の議論も多いことを考慮し、まだ明確にしていないが、2020年6月に出演したテレビ番組では、最初は1年に2回程度、すべての国民に一定金額を支給した後、段階的に支給回数や支給金額を増やし、将来(10~15年後)には一人当たり実質1カ月50万ウォン(約48,077円、2022年2月18日の為替レート1ウォンは0.096154円で計算)程度の基本所得を支給することが望ましいと主張した。
また、住宅を所有していない人に相対的に安い賃貸料で30年以上居住できる「基本住宅」を供給し、全国民が長期間(10年~20年)にわたり、最大1000万ウォンまで低金利でお金が借りられる「基本貸出」も実施することを明らかにした。増加した政府支出に対する財源は、基本所得炭素税、基本所得目的税、基本所得土地税などの増税により賄う方針だ。
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