【韓国大統領選】李在明と尹錫悦の経済政策、不動産政策、労働政策を比較する
李候補が「基本シリーズ」、「555公約」、「政府の財政移出拡大」等の経済政策を推進する計画であることに比べて、野党「国民の党」の尹候補は、「力動的な成長、温かい福祉、成長と福祉における公正性の確保」を主な内容とする、いわゆる「Yノミクス」に基づいて経済政策を実施する方針だ。
尹候補は、政府の介入よりは市場の役割を重視し、民間中心の経済成長を推進したいと考えている。また、コロナにより増加した国の負債を減らすために、国の財政支出を縮小する等財政の健全化を追求する考えだが、法人税、付加価値税などの税金をあげる増税については否定的な立場を示している。さらに、証券取引税や総合不動産税も廃止する方針だ。
進歩・改革系である李候補が財政支出拡大と増税を考えていることに対して、保守系である尹候補は財政支出縮小による財政健全化と減税を推進しようとしている。このような政治路線による財政政策などの違いは歴代政権からも確認できる。
歴代政権における在任期間中の予算増加率をみると、進歩・改革系政権の予算増加率は保守系政権に比べて相対的に高くなっている。例えば、進歩・改革系だった金大中、盧武鉉元大統領の在任期間中の予算増加率はそれぞれ31.6%と117.4%と保守系の李明博、朴槿恵元大統領時代の 20.2%と 13.0%を大きく上回っている。さらに、まだ任期中であるが進歩・改革系の文在寅大統領の予算増加率も39.3%と保守系政権より高い。
歴代政権の在任期間中の予算増加率
最後に、エネルギー政策と関しては両候補共にカーボンニュートラルを目指している。但し、原発に対しては李候補が脱原発を主張していることに対して、尹候補は脱原発に反対しており、二人の意見が分かれている。
李在明、尹錫悦候補の主な不動産政策比較
次は不動産政策である。不動産政策は「供給拡大」と「投棄抑制に対する対策」に大きく区分することができる。まず、「供給拡大」から見てみよう。李候補は国や自治体、韓国土地住宅公社等のような公共主導で住宅の供給を増やす方針であることに対して、尹候補は貸出に関する規制を緩和すると共に民間企業を中心に供給を拡大すると考えている。
李候補は、ソウルの107万戸を含めて全国に311万戸の住宅を供給し、住宅価格を安定化する計画である。この中で140万号は基本住宅で供給すると発表した。李候補は最初は国と自治体の予算を使って住宅を供給すると発表したものの、最近は尹候補の政策を意識しているせいか、民間投資も許容するという意見も述べている。
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