【韓国大統領選】李在明と尹錫悦の経済政策、不動産政策、労働政策を比較する
しかし、基本的に李候補は韓国土地住宅公社(LH:Korea Land and Housing Corporation)等の公共機関を中心に住宅を供給することを考えているので、韓国土地住宅公社等の公共債務は現在より大きく増加すると予想される。
一方、尹候補は、任期中に首都圏の130万~150万戸を含めて全国に250万戸の住宅を供給することを明らかにした。住宅類型別には、青年原価住宅30万戸、駅勢圏(鉄道駅を中心としてその駅を利用すると期待され需要が存在する地理的範囲)の住宅20万戸、公共分譲住宅21万戸、公共賃貸住宅50万戸、民間賃貸住宅11万戸、民間分譲住宅19万戸をそれぞれ供給する方針だ。
また、高速道路と鉄道の地下化を推進し、遊休空間に住居、商業、文化空間を配置する案を提示した。そして、民間企業の駅周辺に対する再開発の容積率を現在の300%から500%に緩和し、追加された容積率の50%分は国へ寄附することを要求し、そこから確保された住宅を青年・新婚夫婦、無住宅市民のために供給する計画だ。
次は「投棄抑制に対する対策」だ。李候補は不動産投棄を抑制するために、国土保有税を導入する等、非必須不動産を多く持つ人に対する課税を強化し、貸出延長を制限すると考えている。李候補は韓国新聞放送編集人協会が主催した2021年11月30日の討論会で、「韓国の土地保有に対する実効税率は0.17%に過ぎず、OECD平均の0.8%の4分に1にもならない」と話すなど、非必須不動産に対する実効税率を1%まで引き上げる方針である。
一方、尹候補は、李候補とは逆に現在実施されている投棄抑制策の一部を緩和すると発表した。若者と初めて住宅を購入する人に対する貸出規制の緩和、譲渡所得税の引き下げ、住宅を一戸所有している人に対する総合不動産税の税率引き下げ、民間賃貸事業者制度の活性化(民間登録賃貸事業者制度の復活)等を推進する方針だ。「投棄抑制に対する対策」は両候補の政策がはっきり分かれていることが分かる。
李在明、尹錫悦候補の主な労働政策比較
最後に労働政策について話したい。李候補は文政権の労働政策は失敗しているが、基本方針は継承する考えだ。デジタル、エネルギー、公共保健を中心に300万人の雇用を創出し、文政権が推進した労働時間の短縮を継承する。
最低賃金に関しては文政権の急激な最低賃金の引き上げ政策の失敗を認めながら、中小企業に対する政府の支援を拡大する等文政権とは差別化された政策を実施する意思を示した。
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