コラム

森友スキャンダルを元官僚が「霞が関」視点で読み解く

2018年03月22日(木)18時00分

18年は大きな選挙がないので、与党・自民党はゆったり構えていられる。野党はこれまで、モリカケ問題を追及して有象無象の情報に引っ掛かり、かえってガタガタになったトラウマがある。そのせいか、今回の文書改竄については佐川前国税庁長官を塀の内に落とす程度で手を打ちかねない。

それで野党が格好をつけるのなら、改竄でごまかそうとした財務省と同じ穴のむじなだ。是非、日本を政治家と官僚が支配してきた「何ちゃって民主主義」から救い出す改革のために、この事件を利用してほしい。

それだけでなく、企業会計の粉飾や品質基準のごまかしなど、日本社会全体にはびこる「何ちゃって体質」を直していくきっかけにするべきなのだ。

本誌2018年3月27日号[最新号]掲載

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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