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対戦国の国歌にブーイング......僕がイングランド人を心底恥じる瞬間
ユーロ2024でイングランドと対戦したスロバキアの国歌斉唱(6月30日) BERND THISSEN/DPA VIA REUTERS CONNECT
<ユーロ2024でも見られるこの光景は正当化しようのない絶望的な行為だ>
ほとんどの人は、自分の母国について何かしら気に入らないことがあるだろう。一般的には人々は本能的に、たとえ建前上だったとしても、自分の国を支持するようになっているものだ。
自分の国のよろしくない事実を知った時は、「ああ、でも他の国でもよく起こることだよね」とか「確かにそうだけど、どこどこの国ではもっとひどい状況だよ」とか言うかもしれない。あるいは、欠点を補って余りあるような自国の人々の美点を持ち出して、話をそらしたりする。
でも時には単純に、「うん、これはひどい。イギリス人(フランス人/日本人/......)でいるのが嫌になるよ。こんなことはやめるべきだ」と言った方がいい場合もある。僕の場合は、イングランドのサッカーファンが対戦チームの国歌にブーイングする様子を見てそう感じる。
こんなことを正当化する理由は何も見いだせない。おそらくこれをやらかす人の中には、こうすることで対戦チームに過酷な環境だと感じさせ、自国チームを「全力で応援する」ことになると考えている人もいるかもしれない。でも大多数のファンは、スタジアムで対戦国に失礼な態度を示し、その国のファンを侮辱するような行為を、「お楽しみの1つ」と考えているふしがあるのではないかと思う。
差別撤廃は進んできたが
もちろん今こんなことを書いているのは、ユーロ2024の真っ最中だから。イングランドFA(サッカー協会)、イギリス警察、その他の当局は、フーリガン根絶のためにしっかりとした働きをみせてきた。ちょっとしたトラブルはちらほら起こるが、1980年代とは比べものにならない(今では、有罪判決を受けたフーリガンは、大規模なトーナメントで会場での観戦を禁止され、開催中はパスポートを返上しなければならないことになっている)。人種差別および同性愛嫌悪に反対する長年の活動は、かなりうまく進んできた(単純に、これらは犯罪に当たるから、法律で徹底的に罰せられる)。
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