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「王らしくない」「疲れて見える」...そんなチャールズ新国王のパイオニアな一面
また、チャールズはやり手ビジネスマンとしてもっとよく知られるべきだと僕は思う。少なくとも口先だけでなく自らのカネをつぎ込んでいるという点で。
持続可能な農業について語るだけでなく、チャールズの私邸「ハイグローブ」の農園はオーガニックにこだわって運営されている。今ではそこでの生産品は高級スーパーであるウェイトローズの全国の店舗で販売されている。
当然ながら「王室ブランド」というだけが売りだと言う人もいる。確かにそれもあるだろうが現実的には、王室ブランドなら商品の品質や価格に見合う価値などは全く気にしない、というほどスノッブでリッチな人はそうはいないだろう。
皇太子時代のチャールズは、「介入する」ことで知られていた(王となってからは明らかにもう少し慎重になるだろうが)。
例えば1988年のテレビ番組で、建築の現状を嘆いたことは有名だ。批評家たちは彼を知識のない素人だと言ったが、賛否はあれど彼の見解は、ガラスやコンクリート製巨大建築よりも伝統的な建物を好む一般大衆の考えにより近かった。ドーセット州パウンドベリーの街は、そんなチャールズの理念に従い、彼の支援を受けて設計されている。
これらから僕が言いたいのは、チャールズ国王が常に正しいのだということでもないし、ましてや天与の洞察力を持つとか特別な才能があるとかいうことでもない。建前上は「儀礼的」でしかない国王という役割に意味を持たせようと努力している、献身的で信念ある人物として彼をみてもいいのではないか、ということだ。
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