コラム

方言を笑われファッションをけなされる......「リバプール差別」を知ってる?

2023年05月15日(月)14時05分

それでも国内でのリバプールの評判は、男なら馬鹿げたパーマヘア、スポーツするわけでもなくお出かけにテカテカした防水ウェアのシェルスーツを着る(リバプールで30年も前に流行したファッションだ)、薬品で染め上げたブロンド(の女性)、大したことでもないのにキーキー声で口論する、失業手当を詐取する、滑稽な方言とアクセントで話す......そして、パブに入り込もうとする厄介な若者たち、という具合だ。

僕が思うにリバプール出身者(スラングで言うなら「Scousers」)への偏見が生まれる理由としては、一般的にはまず、リバプールが圧倒的に労働者階級の街であり、アイルランドにルーツを持つ人の割合が最も高い(港町だし地理的にもアイルランドに近い)ことが挙げられる。

特徴的なアクセントはまさに、北部労働者階級とアイルランド系移民のハイブリッドで生み出された。一見したところ、「これくらいなら許されるだろう」となりがちな偏見2つなのだ。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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