- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 数字から見る英総選挙の結果とイギリスの未来
数字から見る英総選挙の結果とイギリスの未来
ジョンソンの保守党政権が今後5年続くのは確実だろう Jessica Taylor/UK Parliament/REUTERS
<政治にうんざりしている割には高い投票率? 女性議員が躍進? 「圧勝」保守党の意外な得票率? 数字を読み解くとさまざまな潮流が浮かび上がる>
12月12日に行われたイギリス総選挙で、明白な意味を示していると僕が考えるいくつかの数字は次のとおりだ。
67.3%
政治についてどう思うかイギリス国民に聞けば、ブレグジット(イギリスのEU離脱)国民投票後の混乱の数年を経て「何もかもにうんざりしている」と、ほとんど誰もが答えるだろう。それでも、3分の2以上の有権者が今回、票を投じた。投票率67.3%は2017年の英総選挙(68.7%)より少し低いけれど、僕は冗談半分で「季節調整数値」なら今回の投票率は70%以上になるだろうと言っている。
イギリスの12月は午後5時までには真夜中のように真っ暗になり、投票日は雨の降る冷たい日だった。在宅勤務やフリーランスの人なら「duvet day(羽毛布団にくるまる日)」と呼ぶような日だ。だから高い投票率は、国民が政治にうんざりしているように見えることが誤りであることをうまい具合に示している。
220人
女性国会議員の数が、これでもまだ下院議員全体の3分の1を少し超えた程度だけれど、それでも過去最高に達した。これは逆風に立ち向かう大きな節目だ。このブレグジットをめぐる数年間で、政治家に対する嫌がらせ行為は飛躍的に増加し(中には暴力による脅迫行為もあった)、特に女性が標的になっている。このため、今回の選挙では大勢の女性議員が立候補を断念する事態を引き起こした。だがその一方で、また別の女性たちが立候補している。
対照的に、「Blair's babes(ブレアのかわいこちゃん)」と呼ばれる女性議員が大量に誕生した1997年の「ブレイクスルー」とされる総選挙では、女性議員の数は全部で120だった。
43.6%
小選挙区制の奇妙な点は、過半数の票すら獲得しなくても「地滑り的」勝利が起こり得るということだ。ボリス・ジョンソン首相が今回安定過半数を得たのはまさにそんな一例だが、興味深いのは、テリーザ・メイ前首相の下で保守党が「惨敗」し、不安定な連立を組む羽目になった2017年の得票率(42.4%)と比較して、ジョンソンがそれを多少上回る程度の得票率しか得ていないことだ。実際、彼はメイよりほんの33万票上回る票を獲得しただけだが、労働党の票が崩壊したために、保守党圧勝につながった。
衝撃的な数字を参考までに。2005年のトニー・ブレアの労働党が単独過半数を獲得した総選挙では、労働党の得票率はたった35.2%だった。
2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう 2025.01.08
土地持ち農家は高額な相続税を払え...英労働党の新方針が農村部で大不評 2024.12.27
シリアに散った眼帯のジャーナリスト...アサド政権崩壊で思い返したいこと 2024.12.12
バックパックを背負った犬が歩くたび、自然が蘇る未来 2024.12.06
イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ 2024.12.04
引責辞任したカンタベリー大主教のセレブで偽善的でえげつない素顔 2024.11.30
トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義でもない 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員