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「ぼったくりイギリス」から逃げられないカラクリ
Neil Hall-REUTERS
<「ぼったくりイギリス」にも逃げ道はある。電気・ガスは毎年契約を切り替え、電車賃は事前にネット予約し、銀行口座は分散させて毎月貯金を移動させる......。もちろんたいていの人はそんな面倒なことはできないが>(写真:電車賃は当日券を買うのが最も高くつく)
前回の僕の「ぼったくりイギリス」の愚痴につきあってくれた人は、どうして僕が冒頭で、イギリスは概して安く生活できる国だと言っていたのか不思議に思ったかもしれない。実は、イギリスのぼったくりには逃げ道があることが多いのだ。
たとえば、電気、ガス会社は新規契約の割引キャンペーンとして、初年度の年間料金を安めに設定している。毎年、契約終了の時期に忘れずに他社に乗り換えれば、かなりお得にできる。でもそれを忘れると、次年度からばかばかしいほど高い「標準料金」が適用される。だから僕は毎年、電気、ガス会社の契約切り替えを忘れないようにしている。
同じことがインターネットのプロバイダーにもいえる。ただし、利点は割引料金ではなく、乗り換え特典だ。特典の内容はしょっちゅう変わる。時には100ポンドの金券、時には50ポンドの現金、時にはなにもなし。だから乗り換えのタイミングが重要だ。
最近、僕は80ポンドのキャッシュバック期間にプロバイダーを切り替えたが、「2カ月以内」のキャッシュバックがなかなか送られてこないのでやきもきした。実際には、数週間後に小切手が到着したのだけれど。
【参考記事】トランプ勝利で実感するイギリス君主制の良さ
ところが先週、年間前払いで契約したはずなのに口座から月払い料金が引き落とされていたことがわかった(つまり、この手のことには目を光らせておかないといけないということだ。こうした「事務上の手違い」はよくある)。
安いプランは企業側の「保身」策
次は、電車運賃について。当日いきなり駅に行って乗車券を買うと(世界の多くではそれが普通のやり方だと思うけれど)、最も高くつく羽目になる。もっと安い切符を手に入れるには、混雑時間帯以外の特定の電車をインターネットで予約する必要がある。こうした切符は3~4日前に売り切れることもあるが、前日でも手に入ることが多い(ただし、当日は無理)。
この切符は前後の電車に予約変更もできないし、払い戻しもできない。かなり前から計画を立てた休暇の旅行なら悪くないシステムだが、僕のように、月に何度か急用でロンドンに行くような場合には、とても具合が悪い。
最後に、銀行について。各銀行は金利の高い貯蓄口座をいくつか用意しているものの、これには制約がある。たとえば、毎月500ポンドを入金するなら、総額2000ポンドまでは金利が4%になる口座(2000ポンドを超えると金利はゼロになる)。あるいは毎月1000ポンドを預け、さらに2件の自動引き落としを設定すれば、5000ポンドまでは3%の金利がつく口座、といった具合だ。
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