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はるか昔、地球にも土星のような「リング」があった可能性 隕石が落ちた場所の偏りが証拠に?
リングの構造と形状を明らかにするには、数値モデルの専門家らとの協働が不可欠(写真はイメージです) Dotted Yeti-Shutterstock
<仮説を発表した豪モナシュ大の研究チームは、何をもって「地球の環」の存在を確信するに至ったのか。この仮説によって説明できることとは?>
太陽系の惑星は、巨大な木星、赤い火星、自転軸が横倒しになっている天王星など、それぞれに特徴があります。中でも大きなリング(環[わ])のある土星は、子供の頃に図鑑で再現イラストを見て、その神秘的な姿に心惹かれた人も多いのではないでしょうか。「なぜ土星にはリングがあるのに、地球にはないの?」と不思議に思った人もいるかもしれません。
オーストラリア・モナシュ大の研究チームは、「約4億6600万年前の地球にはリングが存在していた」との仮説を発表しました。その発端は、大型小惑星の地球への接近だったと言います。検証や考察は、地球科学系の学術誌『Earth and Planetary Science Letters』に12日付けで掲載されました。
研究チームは、どのような証拠からリングの存在を確信したでしょうか。過去の地球は、リングがあることによって、どのような影響を受けていたのでしょうか。概観してみましょう。
「オルドビス紀の衝突急増期」の謎
4億6600万年前の地球は、地質年代では古生代の区分の一つであるオルドビス紀(約4億8830万年~4億4370万年前)に当たります。この時代は、オウムガイのような軟体動物や三葉虫のような節足動物が栄えていました。オルドビス紀末には、生物の大量絶滅が起こったことでも知られています。
加えて、この時期には、「オルドビス紀の衝突急増期(Ordovician impact spike)」として知られる謎があります。4億6600万年前頃を起点としたオルドビス紀の数千万年の間だけ、地球への隕石の衝突回数が激増しているのです。
その証拠として、世界各地に残る衝突クレーターの年代を調べると、オルドビス紀中期のものが多く見つかります。また、世界中の複数の場所で石灰岩の地層中に含まれている微小隕石を調べてみると、オルドビス紀の「L型コンドライト」と呼ばれる隕石は、他の時代の隕石よりも2~3桁、数が多く見つかることが報告されています。
これまでは、隕石増加の原因は、火星と木星の間にある小惑星帯の中でL型コンドライトの母天体がオルドビス紀に分裂し、破片が地球まで降り注いだため、などと説明されてきました。
今回、モナシュ大地球・大気・環境学部のアンドリュー・G・トムキンス教授らは、オルドビス紀中期のクレーターの位置に奇妙な法則性があることに気づきました。
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