独2月小売売上は予想超えも輸入価格が大幅上昇、消費見通し不透明

ドイツの2月の小売売上高は予想を大きく上回った。ケルンで2009年撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay/File Photo)
Maria Martinez
[ベルリン 31日 ロイター] - ドイツの2月の小売売上高は予想を大きく上回った。一方、輸入価格は大幅に上昇し、今後インフレを加速させ消費を冷やす可能性を示唆した。
ドイツ連邦統計庁が31日発表した2月の小売売上高指数は前月比0.8%上昇。ロイターがまとめたアナリスト予想(0.2%上昇)を大きく上回った。1月は0.2%上昇から0.7%上昇に上方改定された。2月の輸入価格は前年比3.6%上昇。食品の値上がりで2年超ぶりの大幅上昇となった。
予想を上回る小売売上高の伸びについて、VPバンクのチーフエコノミスト、トマス・ギツェル氏は、昨年第4・四半期に縮小したドイツ経済が第1・四半期に拡大に転じる可能性を示唆する良いニュースだと述べた。
ただエコノミストは消費の先行きを楽観していない。ハウク・アウフハウザー・ランペ・プライベートバンクのチーフエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は、消費者心理は停滞し、支出意欲を削いでいると指摘。3月の失業者数が10年ぶりに300万人の大台目前に増加しており、「雇用への不安が消費に一段とブレーキをかけている」と述べた。
小売業協会HDEのマネジングディレクター、ステファン・ゲント氏は「貯蓄性向が依然高く、家計は支出を控える傾向にある」と述べ、現段階で小売売上の一段の回復は見込みづらいと述べた。