相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表後

ワシントン・ポスト紙によると、トランプ米大統領の側近は、ほとんどの輸入品に20%程度の関税を課す案を起草した。米カリフォルニア州オークランド港で3月撮影。(2025年 ロイター/Carlos Barria/File Photo)
Nandita Bose Trevor Hunnicutt
[ワシントン 1日 ロイター] - 米ホワイトハウスは1日、トランプ大統領が2日に発表する予定の相互関税は即時発効すると明らかにした。ただ、規模や範囲について詳細には言及しなかった。
トランプ氏は4月2日を「解放の日」と位置づけ、大規模な関税計画を発表すると約束している。米東部時間2日午後4時(日本時間3日午前5時)にホワイトハウスのローズガーデンで開くイベントで発表する見通し。
ホワイトハウスのレビット報道官は1日の記者会見で、相互関税はトランプ氏の発表後に即時発効すると述べた。輸入車に対する25%の関税も予定通り3日に発動されるとした。
共和党のケビン・ハーン下院議員(オクラホマ州選出)によると、ベッセント財務長官は党下院議員らに、トランプ氏が発表する相互関税は各国に対する最高関税水準の「上限」で、政権の要求を満たせば引き下げられる可能性があると述べた。
トランプ氏は既にアルミニウムと鉄鋼に関税を課し、中国からの全ての輸入品に対する関税を引き上げた。一方、他の関税については発動を警告しながら、撤回や延期を決定している。
レビット報道官の発表は、トランプ氏が今回は実行に踏み切る意向であることを示唆している。同報道官は「大統領には何十年もこの問題を研究してきた優秀な顧問団がおり、われわれは米国の黄金時代を取り戻すことに重点を置いている」と述べた。
トランプ氏が2日発表する具体的な内容はなお不明だ。米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏の側近は特定の国や製品に対象を絞るのではなく、ほぼ全ての国からの輸入品に対し20%程度の関税を課す案を検討している。政権は新たな関税措置によって6兆ドル超の歳入を得られ、税還付などの形で米国民に還付できる可能性があると想定しているという。
一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、米通商代表部(USTR)が一部の国に対する一律の関税案を準備しており、トランプ政権が検討している20%の関税を下回る公算が大きいと報じた。
ホワイトハウス当局者は、関税の規模、範囲、対象について最終決定はまだ下されていないとし、2日のイベントに先立ついかなる報道も「単なる憶測」と述べた。
カナダは対抗措置として関税を課す方針を示している。カーニー首相は「カナダの生産者や労働者が米国の労働者に比べて不利になるようなことはしない」と述べた。
同首相は1日、メキシコのシェインバウム大統領と電話会談を行い、トランプ氏が掲げる貿易措置への対抗策について協議した。