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目撃者続出! 流星と、流星より明るい火球にまつわるトリビア
日本で最も有名な火球は、2020年7月2日の午前2時32分に関東地方の空に出現したものです。満月(マイナス13等級)よりも明るい火球は西から東へと移動し、その様子は多くの市中にあるカメラ――自動観測カメラ、定点観測カメラ、防犯カメラなど――によって記録されました。また、火球出現の数分後には衝撃波による爆音が響きました。
火球の明るさから流星物質は大きいと考えられ、隕石が地上に残っていることが期待されました。アマチュア天文家らによる流星観測網「SonotaCo Network」は各地で撮影された映像を分析し、「隕石があるならば、千葉市花見川区や習志野市、船橋市、佐倉市周辺で見つかる可能性が高い」と推定しました。
同日朝、千葉県習志野市内のマンションの住民が自宅前で石の破片を拾いました。4日には船橋市内でも「怪しい石」が見つかりました。調査分析を担当した国立科学博物館がこれらの石をガンマ線測定したところ、宇宙空間で宇宙線に晒された証拠となる放射性同位体が検出されました。さらに半減期から、落下は最近であることが分かりました。
隕石は、最初の発見場所から「習志野隕石」と名付けられました。国内で発見された隕石の53例目で、火球と共に観測されたのは初めてのことです。
さらに特筆すべきことは、習志野隕石の起源は、軌道が確定し小惑星番号を与えられた50万個超の小惑星の中で、2020 LT1、2008 WH96、2019 NP1の3つに絞られていることです。火球が多数の地点で観測されたため、地球に飛来するまでの軌道も高精度で計算されたためです。
今回の八丈島上空付近を通った火球は、各地で撮影されたために火星と木星の間の小惑星帯からやってきたと解析されています。ただ、隕石が残っていたとしても海中に落下していると考えられています。
惑星、人工衛星、飛行機との見分け方
国立天文台には、「見慣れない明るい光を見た」という問い合わせが日頃から多く寄せられるそうです。後に、自分が見たものが何だったかを調べるためには、少なくとも①見た日時(可能ならば「秒」の単位まで)、②どのくらいの間見えていたか、③見えた方向、④周りの星と比べた明るさ、⑤移動の速さ、の情報が必要と言います。
流星や火球と間違われやすいものに、惑星、軌道上の人工衛星、飛行機、人工衛星の落下などがあります。
ほとんど動かずに数分以上見え続ける光は、惑星の可能性が高いでしょう。軌道上の人工衛星は、日の出の数時間前と日の入り数時間後に、星の間をゆっくり動く光の点として見えます。たいていは数十秒から数分間、見え続けます。国際宇宙ステーション(ISS)は、人工衛星の中でも特に明るく見えることがあるそうです。
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