米ビジネス界が猛反発──トランプの関税政策にNO!
WHEN SCAMSTERS RUN THE ECONOMY

ILLUSTRATION BY ME.MABDULLAH/SHUTTERSTOCK
<有権者にもCEOたちにも関税発動は圧倒的に不人気、こうなることは2年前から分かっていたはずだが......>
関税は歴史学と経済学の中で、極めて地味なテーマだと思う。
私は高校から大学時代にかけて、このトピックにはできるだけ近づかないようにしてきた。アメリカにとって関税が大きな意味を持ったのは、保護主義的な高関税政策から、より開かれた貿易体制へ転換した1935年頃までだと思っていたからだ。
ああ、何てばかなのだろう。高関税は過去の経済政策の遺物などではなかったのだ。もちろん、間違いは誰にでもある。けれども実際に私は、もうじきアボカド1個に26ドルを払うようになるかもしれないのだ。
ドナルド・トランプ米大統領は史上最大規模の関税を発動させたが、これが短期的に引き起こすのはインフレだ。企業は関税として支払わなければならない分だけ、商品の価格を引き上げる可能性が高いからだ。
月次インフレは現在、歴史的水準からすると特に高いわけではないが、2022年から23年にかけて大幅なインフレが起きたため、有権者は物価が全般的にまだ高すぎると考えている。物価がさらに高騰し始めれば、有権者はすぐに気付くだろう。
CEOたちが大ブーイング
長期的な可能性としては、経済にもっと広範な悪影響がもたらされる。物価が上がれば、人々が購入する物は減る。関税は外国製品に対してのものだが、米企業にとっても悪影響がある。