最新記事
トランプ関税

米ビジネス界が猛反発──トランプの関税政策にNO!

WHEN SCAMSTERS RUN THE ECONOMY

2025年4月10日(木)13時28分
ベン・マティスリリー(スレート誌シニアライター)
米ビジネス界は関税にNO!トランプ政権の経済運営は有権者にも経済界にも酷評

ILLUSTRATION BY ME.MABDULLAH/SHUTTERSTOCK

<有権者にもCEOたちにも関税発動は圧倒的に不人気、こうなることは2年前から分かっていたはずだが......>

関税は歴史学と経済学の中で、極めて地味なテーマだと思う。

私は高校から大学時代にかけて、このトピックにはできるだけ近づかないようにしてきた。アメリカにとって関税が大きな意味を持ったのは、保護主義的な高関税政策から、より開かれた貿易体制へ転換した1935年頃までだと思っていたからだ。

ああ、何てばかなのだろう。高関税は過去の経済政策の遺物などではなかったのだ。もちろん、間違いは誰にでもある。けれども実際に私は、もうじきアボカド1個に26ドルを払うようになるかもしれないのだ。


ドナルド・トランプ米大統領は史上最大規模の関税を発動させたが、これが短期的に引き起こすのはインフレだ。企業は関税として支払わなければならない分だけ、商品の価格を引き上げる可能性が高いからだ。

月次インフレは現在、歴史的水準からすると特に高いわけではないが、2022年から23年にかけて大幅なインフレが起きたため、有権者は物価が全般的にまだ高すぎると考えている。物価がさらに高騰し始めれば、有権者はすぐに気付くだろう。

CEOたちが大ブーイング

長期的な可能性としては、経済にもっと広範な悪影響がもたらされる。物価が上がれば、人々が購入する物は減る。関税は外国製品に対してのものだが、米企業にとっても悪影響がある。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

自民が対米交渉で会合、赤沢再生相「国益や効果考え抜

ワールド

赤沢再生相が16日─18日に訪米、財務長官・通商代

ワールド

中国・ベトナム協力、鉄道2路線の実現可能性調査盛り

ビジネス

日経平均は続伸、米関税への過度な警戒が緩和 自動車
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中