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1社目は辞めてもいい? 「第2エリート」というキャリア戦略
しかし焦ることによって「超高速で考える習慣」が身に付いていきます。同様に、急速に感情のコントロールができるようになるため謙虚にもなります。謙虚な姿勢で思考スピードを大幅に速めていると、周囲の見る目が変わってきます。
「なんだ、最近すごいじゃないか」
「君はもともとできるヤツだと思ってたんだ。期待してるぞ」
こう言われるようになったら、ハートに火がつきます。これまでは「自分探しに明け暮れる世間知らず」「できもしない夢を見る青い鳥症候群」などと揶揄されてきた過去があるからです。
感謝の気持ちが芽生え、「もっとやってやろう!」「これまで迷惑をかけてきた家族に恩返ししたい」と発奮したら、手が付けられなくなります。
誰よりも速いスピードで成長します。会社の期待にもこたえられるようになりますが、そこでは止まりません。「第2エリート」の成功の曲線傾斜は、普通のエリートよりも大きく、短期間で急激に能力を開花していくのです。
かつて自分がやりたかったことは忘れて目の前の仕事に打ち込んでいるうちに、新たにやりたいことが見つかったり、素晴らしい人との出会いでこれまで考えたこともないような可能性を見出して、チャレンジしたい気持ちに駆られるようになります。
もともと大きな夢があった「第2エリート」は、からからに乾いていた喉をもう一度満たしたくなり、何年も前に抱いていたハングリー精神を再び戻ってきます。
「キャリアアンカー論」と「プランドハプンスタンス論」
個人のキャリアを考えるうえでは、大きく分けて2つのアプローチがあります。「キャリアアンカー論」と「プランドハプンスタンス論」の2つです。
「計画された偶然性」という意味の『プランド・ハプンスタンス・セオリー』は、予期せぬ偶然の出来事にしっかりと対応し、その経験を積み重ねて自分のキャリアが形成される理論。「プランドハプンスタンス論」と呼ばれます。
反対に、自らキャリアゴールを設定し、能動的にゴールを目指して経験を積み重ねていくのが「キャリアアンカー論」です。
注目すべきはその割合です。調査によると、8割の人は「プランドハプンスタンス」的なアプローチで自己のキャリア形成を考えており、あとの2割が「キャリアアンカー」的なアプローチをしているのです。
つまり、確固としたキャリアゴールを見据えたうえで自己研鑽を繰り返し、自らの意志で働く環境を選択していくのはごく一部のエリートで、ほとんどの人は、偶然身を置いた場所で努力し、仕事をしていくなかで自分のキャリアが肯定的に発展させていくというスタイルをとっているのです。
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