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1社目は辞めてもいい? 「第2エリート」というキャリア戦略
つまり、「第2エリート」になる人は、会社に入ったときは「キャリアアンカー論」的なスタンスですが、現実に直面して転職を繰り返しているうちに「プランドハプンスタンス論」に変更してきます。このようなことを「キャリアコンサルタント」は教えてくれません。あくまでも教科書的なアプローチ(キャリアアンカー論)を伝授するのがキャリアコンサルタントのミッションだからです。
前述したとおり、第2エリートは、出遅れを取り戻すために急激な成長曲線を描きます。出遅れを取り戻したあとも、加速した成長スピードは止まらないため、順風満帆でキャリア形成してきた本物のエリートをも抜かしていくのです。
さらに、第2エリートは、現時点で仕事でつらい思いをしている人、仕事に対して将来の不安を抱えている人の気持ちがよくわかります。若い時分に相応の苦労をしており、苦境をバネにして這い上がった過去があるからです。そして何より、8割の人が「プランドハプンスタンス論」的なアプローチでキャリア形成しているのです。
これは一貫して「キャリアアンカー論」的に生きてきた、本物のエリートとの決定的な差です。
通常のエリートは人生の袋小路に入ったことがないため、どこか近寄りがたく、お高くとまっているように見えます。その点、第2エリートは違います。仕事人生を送るほとんどの人に共感を持てるポジションをすでに得ているのです。
たとえ1社目でうまくいかなくても、2社目で挫折を味わっても、まだまだ挽回することはできます。しかしタイミングを逃すと「青い鳥症候群」のまま年齢を重ねていくことになります。夢をあきらめる必要はありませんが、いつ自分の実力のなさを謙虚に受け止められるか。これを見極める時期が非常に大切になってくると思います。
※4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が尊敬する日本人100人」特集。お笑い芸人からノーベル賞学者まで、誰もが知るスターから知られざる「その道の達人」まで――。文化と言葉の壁を越えて輝く天才・異才・奇才100人を取り上げる特集を、10年ぶりに組みました。渡辺直美、梅原大吾、伊藤比呂美、川島良彰、若宮正子、イチロー、蒼井そら、石上純也、野沢雅子、藤田嗣治......。いま注目すべき100人を選んでいます。
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