コラム

「スーパー台風」と東京五輪で始まる本格テレワーク時代

2019年10月16日(水)14時00分

台風19号のなか、東京品川の交差点を走って渡るサラリーマン Kevin Coombs- REUTERS

<災害で交通機関が乱れていても出勤する必要があるのか、という議論に対する一つの答えがテレワーク。東京五輪の超混雑を懸念する政府も本気で後押しする>

超大型の台風19号が、この3連休に日本列島を直撃。広い範囲で、甚大な被害をもたらしました。

大型で猛烈な台風19号は「スーパー台風」と呼ばれ、海外からも注目が集まるほどの勢力でした。専門家によると、地球温暖化により今後も同規模のスーパー台風が発生する確率は高いとのことです。

さて、今回のことで、私たち企業人は何を学び、次に生かすかを考えなければなりません。

今回は週末したが、もし平日なら通勤ラッシュによる交通混雑は避けられなかったことでしょう。

企業はもっと真剣にテレワーク導入を考えるべきです。

2018年の総務省「通信利用動向調査」によると、テレワーク導入企業はまだ2割弱。しかも、導入しているだけで実際にテレワークを利用するワーカーは「5%未満」ですから、まだまだ普及しているとは言い難いのが現状です。

五輪のために政府も本気モード

来年の東京オリンピック期間中、首都圏の乗客数が10%以上増える可能性があり、都市機能を維持するため、総務省、厚労省、内閣府など関係省庁は、開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」に指定しています。

2017年からは「テレワーク・デイズ」と題して、7月24日に企業・団体にも積極的なテレワーク実施を呼びかけています。2017年は約950団体、6.3万人、2018年は、1682団体、30万人以上が参加しました。

大手企業では、リコーが今年6月20日、オリンピック開催期間に本社オフィスをクローズすることを発表。本社勤務の従業員約2000人がテレワークに切り替えます。

通常業務をテレワークで実施可能な従業員は限られています。テレワークしたくてもできない企業のほうが多いわけですから、このように切替可能なワーカーは積極的に利用しましょう。

人も仕事もテレワーク向けに最適化せよ

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。業務効率化のために、いろいろな経営者からテレワークについても相談を受けます。

相談を受けて私が実感するのは、テレワークを勘違いしている経営者がとても多いこと。

セキュリティ対策した通信環境の整備、ノートパソコンなどのモバイル端末を貸し出せば、すぐにでもテレワークができると思っている人が実に多い。経営者のみならず、現場責任者もそう。

とんでもない。何の教育もせずテレワークをスタートさせたら、業務効率はかえって悪化します。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国の山火事死者18人に、強風で拡大 世界遺産に迫

ワールド

豪政府、25年度の国債発行予定額引き上げ 予算案受

ビジネス

英FCA、金融機関のリスクテークへの姿勢見直しへ 

ビジネス

訂正企業向けサービス価格、2月は3%上昇 人件費な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 10
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story