コラム

駅や交差点で人にぶつかるような人が「部下育成」に向いていない理由

2020年01月29日(水)13時20分

雑踏でよく人にぶつかる人は、部下の気持ちにも気づけない? bee32-iStock

<歩きスマホをしていないのに人とぶつかってしまう人は、慢性的に周囲への注意が足りていない可能性がある>

「最近の若い子は、こらえ性がないですよね。忍耐力がない」

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。現場に入ると、ミドルマネジャーにこのような愚痴をよく聞かされる。

経営目標を達成させるには、彼ら彼女らに力を発揮してもらわなくてはならない。なので、どんなに的外れな愚痴であろうと、私は耳を傾けるようにしている。

「まったく、入社してたった1年で会社を辞めたいって言いますかね。私の若いころじゃあ、考えられませんよ。本当に驚いた」

「寝耳に水だったのですか」

「最近の子は何を考えているのか、さっぱりわかりません。悩みがあるんだったら、どうして辞める決断をする前に、ひとこと相談してくれないのか」

「そうですねえ......」

私は曖昧な返事をして考え込んだ。

実は、ここで話題になっている「若い子」は、ずいぶんと前から同僚や先輩に、仕事の悩みを打ち明けていた。他のスタッフの聞き取り調査からも明らかで、直属の上司であるこの課長が気付かなかっただけだ。

「ながらスマホ」もしていないのに不注意な人たち

「そういえば課長、先日転んでひざを怪我されたと聞きましたが、その後具合はいかですか?」

「ああ、もう大丈夫ですよ」

「スマホ歩きしている人と、駅でぶつかったんですよね」

「本当にあれはけしからん! スマホ歩きなんて、法律で取り締まるべきです」

コンサルタントにも忍耐力が必要だ。

「道や駅でよくぶつかるんですか」

「うーん、そう言われると、たしかにそうですね。とくに最近の若い子は、不注意なのが多いですから」

「歩きスマホ」や「自転車スマホ」といった「ながらスマホ」は、今や大きな社会問題だ。現代病の一つとまで言われており、交通事故や転倒事故など、命にかかわる事故やトラブルが何度も引き起こされている。

当然だ。

愛知工科大学名誉教授の小塚一宏氏によれば、ながらスマホをしていると「視界の95%が消える」という。

視界の95%が消えた状態で歩いたり、自転車や自動車を運転するのは危険極まりない。絶対にやめるべき行為だ。

ただ、いっぽうで、世の中には、歩きスマホをしてもいないのに、ついつい人とぶつかってしまう人がいる。

歩きスマホをしている人が人とぶつかったら、当然のことながら、スマホを見ながら歩いている人が100%悪い。しかし、こうも考えられないだろうか? 

「どうして歩きスマホをしている人を、よけられなかったのか?」と。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

ニュース速報

ワールド

五輪の感染リスクで尾身氏らが提言、「無観客が最も望

ビジネス

訂正-米主要金融市場、18日は通常取引の予定=祝日

ビジネス

ドイツ、来年の新規純借り入れ1000億ユーロを計画

ワールド

石油大手、メキシコ湾の施設から作業員退避 熱帯低気

MAGAZINE

特集:ルポ 武漢研究所のウソ

2021年6月22日号(6/15発売)

新型コロナウイルスの発生源と疑われる中国の研究機関は危険な感染実験を繰り返していた

人気ランキング

  • 1

    中国の原発で放射線漏れの疑い チェルノブイリを彷彿とさせる透明性の欠如

  • 2

    コロナ研究所流出説を裏付けるコウモリ動画

  • 3

    やっぱり危ない化粧品──米研究で半分以上に発がん性物質

  • 4

    K-POPアイドルも逃れられぬ兵役の義務、ファンを絶望…

  • 5

    徴用工訴訟、ソウル地裁の却下判決 韓国法曹会は正…

  • 6

    「感染力強いデルタ株のR(再生産数)は最大7」英当…

  • 7

    新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」…

  • 8

    病院がICUを放棄? 無人の部屋に死体のみ、訪ねた親…

  • 9

    バイオジェン=エーザイのアルツハイマー新薬「アデュ…

  • 10

    インド型変異株(デルタ株)は従来株と症状が違うの…

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    EVシフトの盲点とは? トヨタが「水素車」に固執するこれだけの訳

  • 3

    中国の原発で放射線漏れの疑い チェルノブイリを彷彿とさせる透明性の欠如

  • 4

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウン…

  • 5

    将来の理数系能力を左右する「幼児期に習得させたい…

  • 6

    病院がICUを放棄? 無人の部屋に死体のみ、訪ねた親…

  • 7

    ノーベル賞を受賞した科学者の私が、人生で後悔して…

  • 8

    コロナ研究所流出説を裏付けるコウモリ動画

  • 9

    歴史に置き去られた世界の廃墟たち...不気味で美しき…

  • 10

    誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    脳が騙される! 白黒の映像が、目の錯覚でフルカラーに見える不思議な体験

  • 3

    国際交流で日本にきた中国人200人に「裏切り者」のレッテル

  • 4

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウン…

  • 5

    東京オリンピックの前向きな中止を考えよ

  • 6

    武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得…

  • 7

    閲覧ご注意:ネズミの波がオーストラリアの農地や町…

  • 8

    【ファクトチェック】肛門PCR検査は中国で義務付けら…

  • 9

    ファイザーのワクチンで激しい副反応を経験した看護…

  • 10

    EVシフトの盲点とは? トヨタが「水素車」に固執す…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中